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ドリトル先生と不思議な蛸

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第九幕その七

「だからだね」
「全然飽きないね」
「そうだよね」
「じゃあ一緒に食べよう」
「今夜もね」
「そうしようね」
「お酒も飲んでね、日本酒もね」
 先生は徳利にあるそれも見ました。
「いいよね」
「もう先生すっかり日本酒に馴染んでるね」
「そうなったわね」
「イギリスにいた時は飲んでなかったけれど」
「今はね」
「そうなったよ、エールやウイスキーもいいけれど」
 それでもというのです。
「この日本酒もね」
「いいんだね」
「お刺身にも合っていて」
「それで」
「凄くいいよ、じゃあ食べようね」
 先生が言ってでした、皆は鯛のお造りを中心とした今夜のご馳走を食べはじめました。その中で、でした。
 先生はお酒を飲みつつこんなことを言いました。
「ヒョウモンダコの毒はテトロドキシンなんだ」
「それだよね」
「それって河豚の毒だね」
「あの蛸は河豚と同じ毒だね」
「それを持ってるんだね」
「そうなんだ、その河豚もね」 
 このお魚のお話をするのでした。
「美味しいよね」
「物凄くね」
「毒はあるけれど」
「それで今の季節は旬じゃないけれど」
「河豚も美味しいよね」
「そうだよね」
「うん、お刺身にしてもいいし」
 今は鯛のお刺身を食べつつ言います。
「唐揚げにしてもいいしね」
「あとお鍋にしてもね」
「白子もいいよね」
「皮だってね」
「種類によって食べていい場所と悪い場所があるけれど」
 毒のある部分は食べられません。
「本当に美味しいね」
「だからまた食べようね」
「河豚もね」
「そうしようね」
「秋か冬にね」
「そうしようね」
 先生も笑顔で応えます。
「あのお魚も好きだからね」
「しかしあの蛸がその河豚と同じ毒を持ってるなんて」
 こう言ったのはガブガブでした。
「思わなかった」
「そうだよね、河豚には毒があってもね」
 ダブダブも言います。
「まさかあの蛸にもなんてね」
「というか毒のある蛸なんてね」
 トートーはこのこと自体に言いました。
「普通考えないね」
「しかもあの模様だよ」
 ホワイティはヒョウモンダコのその模様について言いました。
「普通いるとか思わないよ」
「海には色々な生きものがいるけれど」
「あんな蛸もいるなんてね」
 チープサイドの家族もお話します。
「普通は思わないわ」
「そうだよね」
「先生は最初から知っていたみたいだけれど」
 そうした蛸もいることはとです、ジップは指摘しました。
「普通の人はまず思わないね」
「図鑑にも載っていないんじゃないかしら」
 ポリネシアは少し機微を傾げさせて言いました。
「流石に」
「図鑑といっても限りがあるしね」
「載っている生きものについては」
 オシツオサレツは今も二つの頭で言いました。 
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