夢幻水滸伝
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第百九十三話 小さな街からその九
「まずは東南アジアやな」
「我々の地域をですか」
「そや、どないするかや」
「統一ですか」
「そうしてな」
そしてというのだ。
「そこからどないするか」
「そうなりますか」
「そやからな」
「まずはですね」
「東南アジアを一つにするで」
「ではリーさんは」
「東南アジアの棟梁になる」
このことを強い声で言った。
「ええな」
「わかりました」
アルフィアンはリーのその言葉に頷いて応えた。
「及ばずながら私も」
「力を貸してくれるか」
「リーさんならです」
彼に微笑んで言うのだった。
「私もまた」
「私やとか」
「はい、絆が出来たので」
「絆か」
「そうです、この世界でのそれが」
「それで一緒にやってくれるか」
「はい、それでは駄目でしょうか」
リーの目を見て問うた。
「絆、仲間ということで」
「そやからか」
「あきませんか」
「かなり劣勢やがええか」
リーは自分に微笑んで言うアルフィアンに問うた。
「シンガポールとマレーシアやと」
「こちらは人口が少なく」
「軍隊も申し訳程度や」
「その面では勝てませんね」
「まずは、それでもええんやな」
「ええ、劣勢だからと言って縁を切るなぞ」
アルフィアンはそうした輩については軽蔑した笑みでこう述べた。
「起きた世界の学校の陸上部の」
「あの連中な」
「同じですさかい」
それ故にというのだ。
「しません」
「反面教師か」
「はい」
まさにその通りだというのだ。
「私はあの連中の様になりたくはないです」
「それでか」
「幾ら劣勢でもです」
「裏切らんか」
「あの連中は人を裏切ってどうなったか」
「君は彼等の後輩や」
リーはアルフィアンに冷静な声で答えた。
「その君に徹底的に軽蔑されてる」
「そのことがですね」
「何よりの証拠や」
「連中と言ってますし」
「何の敬意も感じんな」
「はい、自分が告白する様に言ってですね」
アルフィアンもこのことは知っていた。
「そしてですね」
「そのけしかけた人が振られるとな」
「掌返しで友達の縁を切ったのですね」
「その人にお前が決めたこととか言ってな」
「告白された女性の友人達に何か言われたとかで」
「自分が言われたらすぐに逃げる」
リーは今度の言葉は冷徹なものになっていた。
「けしかけた人に全部押し付けてな」
「そんな連中何を信用してです」
そしてというのだ。
「敬意を持てるか」
「私は直接言ったことがある」
リーは冷徹な声でこうも言った。
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