夢幻水滸伝
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第百九十三話 小さな街からその一
第百九十三話 小さな街から
リー=シェンスイは暫く考えた、そのうえで。
街にいる者達に何処となく聞いて今自分がいる場所について理解した、そうしてからまずは目に入った中華料理の飯店に入った、空腹を感じたからだ。しかも金もあったがその金は彼の知っているものではなかった。だがそれでもだった。
まずは店に入って注文した、八宝菜に海老蒸し餃子に。
そして海鮮麺を頼んだ、そこに豚の料理も頼もうとしたが。
ふとだ、彼は店の親父オークの彼に言った。
「一つええか」
「何でしょうか」
「この店の豚料理でお勧めは何や」
「色々ありますがやっぱり豚腹のあれですね」
「煮込みやな」
「はい、それです」
親父はこう答えた。
「何といっても」
「ほなそれもな」
「注文されますか」
「是非な、あとデザートは」
リーはこちらの話もした。
「桃饅頭をな」
「そちらですね」
「あとお酒は紹興酒や」
この酒だというのだ。
「それを頼むわ」
「それでは」
「あとこの街は賑やかやな」
リーは親父にこうも言った、カウンターの席に座って。
「世界は色々あるが」
「はい、ですが今は豪商の寄り合いで」
「話し合いでやっててか」
「どうもです」
賑やかは賑やかでもとだ、親父は話した。
「まとまりがです」
「欠けてるか」
「はい」
そうだというのだ。
「これが」
「そやねんな」
「ですからしっかりした人が棟梁になってくれて」
「街を治めてくれたらか」
「街の多くの人が思ってます」
「成程な」
「星の方でもいてくれたら」
親父は作りながらこうも言った。
「皆助かるのですが」
「そうなんやな」
リーは今ここで自分がその星の者であることは隠して応えた。
「棟梁が必要か」
「この街にもです」
「やっぱり寄り合いやとな」
「まとまりがなくて。モンスターも出ますから」
「モンスターに獣やな」
「どうしても出ますからね」
そうした者達はというのだ。
「軍だの冒険者もです」
「しっかりと動いてくれんとやな」
「困るのですが」
「この街も難しい問題抱えてるか」
「周りの街とは平和ですが」
それでもというのだ。
「難しい状況はです」
「実際にやな」
「この街にもあります」
「そういうことか」
「どうにも」
こうリーに話してだった。
親父は彼に海鮮麺に八宝菜に海老蒸し餃子を出してだった。
豚腹煮込みも出した、勿論紹興酒も。リーはそういったものを食べてからデザートも食べ終えてからだった。
彼は親父に勘定を払ってからまた言った。
「ほなまたな」
「はい、それでお客さん学者ですね」
「職業はな」
リーは親父に答えた。
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