八条学園騒動記
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第六百六話 まだらの紐なのかその十一
「若しかしたら」
「その時になんだ」
「そうかもね」
「それも凄いね」
「だから娯楽だから」
これに徹しているというのだ、兎角マウリア映画はマウリア人が楽しめる様に作られているというのである。
「もうね」
「楽しめればいいんだ」
「楽しかったら」
それならというのだ。
「もうね」
「それでいいんだ」
「それがマウリア映画だから」
それ故にというのだ。
「もうね」
「納得してだね」
「観るといいんだ」
「ストーリーも演出もだね」
「もうまずはね」
「楽しめるかどうかだね」
「マウリア映画は娯楽だから」
完全にそちらに振り切っているというのだ。
「もう何でもありなんだよ」
「何かを訴えるとかは」
「あってもね」
テーマはというのだ。
「本当に第一はね」
「娯楽なんだね」
「だから結末は」
マウリア映画のそれはというと。
「もうほぼ確実にハッピーエンドなんだ」
「確実になんだ」
「うん」
このことはというのだ。
「これはもう絶対らしいよ」
「ハッピーエンドでないと駄目なんだ」
「連合では映画というか創作にバッドエンドやサッドエンドはあるけれどね」
サッドエンド、悲しい結末はというのだ。物語ではそうした結末を迎えるものも多い。アーサー王もそうであろうか。
「けれどマウリアだとね」
「映画はなんだ」
「他のジャンルの創作は知らないけれど」
漫画やアニメ、ゲーム、小説等はというのだ。
「けれど少なくとも映画はね」
「ハッピーエンドなんだ」
「そうなってるんだ」
「物凄く長くてカオスなストーリー展開で」
「ワープは常識の世界観でね」
「ナチュラルに歌や踊りがあって」
「そんな異次元だけれど」
トムは弟に話した、もう007は完全に忘れられていて普通に推理シーンがはじまってはおらずホームズが誰かとロマンスに陥っていた。
そのロマンスを見つつだ、トムはさらに話した。
「結末はね」
「ハッピーエンドなんだ」
「そうなんだ、あとね」
「あと?」
「今普通にロマンスはじまってるけれど」
「被害者の妹さんとね」
「ロマンスもね」
この要素もというのだ。
「入れないと駄目だそうなんだ」
「アクションも入れて」
「そしてロマンスもね」
「何もかも入れないと駄目なんだ」
「娯楽だから」
それに徹しているからだというのだ。
「だからね」
「ロマンスも入れるんだ」
「もう何でも入れて」
「それでハッピーエンドなんだ」
「そうなんだ」
「それで上映時間が長いんだね」
「あっ、長いのはマウリア映画じゃ何でもないから」
あらゆる要素を何でも入れることとは無関係だというのだ。
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