八条学園騒動記
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第六百六話 まだらの紐なのかその五
「よくね」
「それと同じで」
「ヒンズー教でいるとされているから」
「それでなんだ」
「いるんじゃないかしら」
「そういうことなんだ」
「ジンのお話でしょ」
エミリーは従弟に問うた。
「コーランのそれは」
「うん、イスラムの子から聞くと」
「ジンはいるっていうのね」
「だってコーランにいるって書かれてるから」
誤りのないそれにだ。
「それでね」
「今も言ったのね」
「うん」
その通りだというのだ。
「そうね」
「そういうことね」
「まあね。何がいるかわからない国だしね」
シッドはマウリア自体について話した。
「そうした存在もいるかな」
「妖怪も」
「あそこはね」
「そうかもね、それで推理が再開されたけれど」
映画の本来の展開になっていた。
「推理が頭に入らないよ」
「どうしてもなんだ」
「うん、インパクトと突っ込みどころばかりで」
これまで話している通りにというのだ。
「僕もね」
「兄ちゃんもだよね」
「推理というかストーリーもね」
それ自体がというのだ。
「頭に入らないよ」
「そうだよね」
「しかもね」
トムはさらに言った。
「男の人は本当に同じ顔だね」
「彫のあるお顔で目と髪の毛が黒くて」
「お肌もでね」
「頭にターバン巻いてて口髭あって」
「だからね」
「皆同じ顔だよね」
「そう見えるよね」
「私まだホームズさんとワトソンさんの区別がつかないけれど」
エミリーはそうだった。
「どうにも」
「ああ、エミリーもなんだ」
「ええ、ちょっとね」
そうだというのだ。
「どちらがどちらか」
「服もだしね」
「ホームズさんの服はトレードマークになっておるけれど」
「あれはそうだよね」
「ええ、タートンチェックでね」
「あの帽子であとマントみたいな」
「ケープね」
エミリーはトムに話した。
「短いあれね」
「肩からかけるね」
「あれはケープっていうのよ」
「そうなんだ」
「ええ、ファッションよ」
それだというのだ。
「マントみたいなね」
「そうした感じなんだ」
「それでそのケープも身に着けて」
エミリーはさらに話した。
「それでパイプもね」
「ホームズて喫煙派だから」
「それもパイプ派よね」
「それもトレードマークだね」
「けれどこのホームズさんは」
マウリア映画での彼はというと。
「タートンチェックでもないし」
「ケープも羽織ってなくて」
「パイプもないから」
「時々出すだけだね」
シッドが言ってきた。
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