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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第九十九話 リムルル、狐を見るのことその七

「あの二人も一緒に来るなんてな」
「三姉妹揃い踏みだね」
「じゃあ今度はあれか?」
「尻尾が七本とか五本になるの?」
「あれっ、違うみたい」 
 リムルルは二人の馬車も見た。そして言うことは。
「琵琶に。何あれ」
「何を見たのだ?」
「ううんとね、頭が九つある鳥だけれど」
 それを見たというのだ。
「少なくとも狐じゃないわね」
「琵琶に。またおかしな鳥だな」
 関羽もその話には首を捻った。
「何だそれが」
「私に聞かれても」
 知らないとだ。リムルルは困った顔で答える。
「けれどあれもやっぱり」
「妖怪だろうな」
 関羽にもそれはわかった。
「しかしあの姉妹は妖怪ではない」
「うん、そういうのじゃないのははっきりわかるわ」
 リムルルはそれも見て話した。
「人間は人間よ」
「そうだな。それはな」
「妖怪ってね。本当に独特の気配があるから」
 そしてだ。リムルルが話す存在は。
「人間なのは確かよ」
「人間でなのか」
「狐を背負っているのだ?」
「しかも九尾の狐なんてよ」
「とんでもないの背負ってることになるけれど」
 関羽達にしてもリムルルの今の言葉はわかりかねていた。
 それでだ。さらにだった。
 関羽はだ。首を捻って述べた。
「よくわからないが」
「それでもなのだ?」
「うむ。少なくとも司馬家の姉妹はよからぬ者達だな」
 それはわかったというのだ。
「それは間違いないな」
「うん、取り憑かれてる感じでもないし」 
 リムルルは再び指摘して話す。
「何か心がね」
「心が!?」
「司馬尉達のなのだ!?」
「そう。あの司馬尉さん達の心が」
 どうかとだ。関羽と張飛に応えて話す。
「狐とか琵琶とか鳥になってる感じ」
「じゃああれか?」
「心が化け物だってこと?」
 馬超と許緒はリムルルの話からこう考えた。
「さらにわからない話になってきたな」
「そうよね」
「私にしてもね」
 そのだ。見たリムルルにしてもだった。
「こんなおかしなことはじめてだから」
「一度朱里達に話した方がいいのではないか?」
 関羽が選んだのはこの選択だった。
「あの者達なら何かわかるかも知れない」
「そうね。あの娘達ならね」
 リムルルもだ。関羽のその言葉に頷いた。
 そのうえでだ。巡回の後でだ。
 実際に孔明達に話した。しかしそれでもだった。
 孔明も鳳統も徐庶もだった。リムルルの話を聞いてだ。場所は劉備の摂政府の一室だ。そこで卓に座り茶を飲みながら話すのだった。
 それぞれきょとんとなってだ。こう言うだけだった。
「ええと、狐なのはわかったけれど」
「心が狐というのは」
「御免なさい、わからないわ」
 三人共だ。こう答えたのだった。
「そんなことって。はじめて聞いたし」
「人が姿を変えているのはあるけれど」
「人間なのに心が狐や琵琶というのは」 
 それはだ。本当に全くなのだった。
「人間なのは事実よ」
「ええ、それはわかったわ」
 孔明はリムルルの言葉に頷く。
 そのうえで茶を一口飲み。また話した。
「けれど。心は」
「生物学的には人間ね」
 キングがふらりと来て話した。
 
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