八条学園騒動記
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第六百五話 果てしない推理その二
そうして刑事と歌い踊りながら会話をしている、それも笑顔で。トムはそのインパクトに目を点にさせながら話した。
「このインパクトがね」
「強烈過ぎてね」
「もうね」
「ストーリーまではね」
「頭に入らないよ」
「そうよね」
「何かね」
トムはさらに言った。
「インパクトで言えば」
「物凄い作品ね」
「けれどストーリーがわかるか」
頭に入るという意味でだ。
「それはね」
「難しいところね」
「実際にね」
「頭に入らないわね」
「うん」
全くというのだ。
「他のことが凄過ぎて」
「そうよね」
「さっきまで深刻な証拠とかのお話してたのに」
「今はね」
「笑顔で歌って踊って」
「ホームズ婦人警官と踊ってるわね」
何時の間にか出て来たその人とだ。
「刑事さんとのお話なのに」
「カップルみたいに歌ってるね」
「刑事さんも笑顔で取り合ってるわ」
その婦人警官をだ。
「何時の間にか服変わってるし」
「さっきまで黒かった制服が」
警官達のそれがだ。
「今緑だね」
「そうよね」
「それで赤に変わったし」
瞬時に何十人もの服がそうなった。
「それでバックダンサーになってるけれど」
「物凄いインパクトね」
「制服青に変わったし」
シッドが指摘した。
「奇麗なコバルトブルーに」
「そうなったね」
トムもその通りだと応えた。
「今ね」
「それも場所が何時の間にか警察署の外になって」
「踊っている人が増えたし」
「倍にね」
「こんな警察署ないよ」
トムは断言した。
「歌って踊って外で事件のお話するとか」
「異次元みたいね」
エイミーは真顔でこの言葉を出した。
「これは」
「そうだね」
トムも同意だった。
「もうここまできたら」
「こうしたインパクトが強烈過ぎて」
「ストーリーがね」
「全然頭に入らないわ」
「それでもお話は進むしね」
見れば歌と踊りが終わると普通の場面に戻った、しかしこれがまただった。
「一瞬で署内に戻ったね」
「ワープ多いね」
「普通にしてるね」
ワープ、それをというのだ。
「見ていたら」
「このことも凄いわね」
「そうだよね」
「しかも皆何とも思っていないし」
「皆超能力者なのかな」
シッドは首を傾げさせながら言った。
「普通に一瞬で着替えたり出て来たりワープしたり」
「もうそう考えていいよね」
トムも同意だった。
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