| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九十八話 孫策、賭けを考えるのことその七

「その何者かだけれど」
「果たして誰なのかね」
「思い当たるふしは」
 孫策は杯を卓の上に置きそのうえでだ。腕を組み話した。
「私達が従えさせている豪族達」
「今中央に組み入れている彼等ね」
「その中には反発している者も多いし」
「可能性はあるわね」
「他にもこっちが気付いていないだけでそう考えている面々はいるでしょうね」
「そうね。そうした相手も多いわ」
 国の要職ともなれば怨まれるのも当然だった。政には利権もまた関わってくる。その利権の関係で怨まれるのもだというのだ。
 それを踏まえてだ。また言う孫策だった。
「ううん、それを探し出すのもね」
「一筋縄じゃいかないわね」
「そうね」
 こう周瑜に応えて言ったのだった。
「果たして誰なのかね」
「探していくわ」
「御願いできるかしら」
「私にとっても」
 彼女自身にとってもどうかとだ。
 周瑜はその顔を険しくさせてだ。そのうえで話す。
「仇だから」
「お母様のね」
「大殿がおられたからこそ」
 それでだというのだ。
「今の私があるから」
「そうね。貴女を見出したのは」
「孫堅様よ」
 その彼女だというのだ。
「だからこそね」
「尚更その仇をね」
「見つけ出し。そして」
 そのうえでだというのだ。
「この手で」
「いえ、それは」
「それは?」
「私もよ」
 そのだ。孫策もだというのだ。
 青い炎を燃え上がらせてだ。そのうえでの言葉だった。
「それに蓮華も小蓮もね」
「そうだったわね。貴女だけじゃなかったわね」
「私達姉妹全員の仇よ」
 その刺客を送った者はだ。そうだというのだ。
「実行した刺客が誰か」
「それも気になるけれどね」
「黒幕よ。大事なのは」
「それが誰かよね」
「ええ。けれど」
「けれど?」
「流石に関係ないわね」
 こう前置きしてからだ。述べる孫策だった。
「お母様の刺客と司馬家は」
「どうかしら」
 孫策は直感で、周瑜は洞察でそれぞれ話していた。
「それもね。有り得るわ」
「そうだというのね」
「孫家は揚州に勢力を築いていったけれど」
「その孫家に対して」
「司馬家が快く思っていないとしたら」
 それならばだ。どうかというのだ。
「それもね」
「あるわね」
「まさかとは思うわ」
 その可能性は低いとだ。周瑜も言う。
 だがそれでもだとだ。仮定を話していくのだった。
「けれど。あの家については昔から」
「多くの政敵がね」
「不穏な死を遂げているから」
 このことがあった。
「若しも。本当に孫家が」
「あの家の障害になると見なされていたら」
「お母様も」
「そうなっていてもね」 
 不思議ではないというのはだ。二人も考えていく。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧