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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百六話 イルミネーションの前でその九

「安過ぎるとね」
「飲まないのね」
「一本五百円いかない様なワインはね」
「まあそういうのは料理用だしね」
 香織さんも言ってきた。
「お料理と一緒に飲まないわね」
「まあそうしたワインだよね」
「あと紙パックのね」
「二リットルのとかあるね」
「ああしたワインはやっぱりそれなりの味で」
 それでだ。
「飲み過ぎるとね」
「悪酔いするわね」
「そうしたワインだってことでね」
「割り切ることね」
「そうだよ、けれどワインは高いからといってね」
 それでもだ。
「いいとはね」
「限らないわね」
「口に合う合わないは値段じゃないよ」
「舌よね」
「舌でどうかだから」
 あくまでだ。
「値段それにブランドじゃね」
「わからないわね」
「実際に飲まないと」 
 そうしないとだ。
「わからないよ、それで親父はね」
「トカイとかランブルスコとか」
「あとモーゼルもだね」
 モーゼルは白だけれどこちらもだ。
「実際に飲んでね」
「美味しいって言ってるのね」
「そうなんだ、ただね」
「ただ?」
「親父ブランデーも飲むから」
 蒸留酒も飲む、ブランデーだけでなくテキーラかウォッカ、バーボンも飲むし焼酎や老酒も好きだ。強い酒もいけるのだ。
「色々飲む方なんだ」
「ワインだけじゃないの」
「日本酒も飲むしね」
「そちらもなのね」
「酒豪だしね」
 一言で言うとそうなる。
「お酒ならね」
「何でもいける人なの」
「洋食も和食も中華もだしね」
 お料理も何でもいけるくちだ。
「だからね」
「お酒も何でもなのね」
「そうなんだ」
「じゃあワイン以外にも」
「飲むことは飲むよ、ワインが好きでもね」
「そうした人なの」
「ただ、ロックは絶対だね」
 これで飲むことはだ。
「飲み方は」
「氷入れて飲む人なの」
「冬でもね、冷えたお酒が好きだから」
 それでだ。
「ワインやビールや日本酒にはしないけれどね」
「ワインに氷入れる場合もあるわよね」
「スペインじゃそうした飲み方もあるらしいしね」
 日本酒でもする人がいる、奈良時代の長屋王は自分の杯に氷を入れて飲んだらしいけれど当時氷は最高級の贅沢品だった。
「ワインでもあるよね」
「夏とかね」
「けれど親父はね」
「そうしたことはしないのね」
「ワインはワインでね」
「氷を入れないで飲むのね」
「冷えたワインが好きだけれど」
 日本酒でもビールでもだ。
「そちらには氷を入れないんだ」
「そうして飲まれるのね」
「うん、そこもこだわりなんだ」
 かく言う僕もワインは普通に飲んでいる、氷は入れない。 
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