八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百六話 イルミネーションの前でその八
「もう穴だけとか壺があって」
「そこによね」
「それで道に捨てていたから」
「道の端が汚くて」
「そこからペストも流行ったから」
「深刻なお話よね」
「おトイレも大事だよ」
その存在自体がだ。
「本当にね」
「そうよね」
「馬鹿に出来ないものがあるよ」
「若しおトイレがないと」
「処理に困ってね」
出したもののだ。
「本当にペストの原因にもなるから」
「ちゃんとしないと駄目ね」
「そうなるよ、まあ親父はそのお家に住んでいて」
おトイレとお風呂が別々のだ。
「今日もね」
「ワイン飲んで」
「楽しくやってるよ、親父はお酒大好きだからね」
親父曰くお酒と女の人あっての人生だ、よく遊んでよく仕事をして家事も忘れないのが親父のポリシーだ。
「だからね」
「ワインも飲んでるのね」
「それでトカイかも知れないよ」
ハンガリーのこのワインだ。
「好きだからね」
「トカイって高いわよね」
「高いものになると凄いよ」
安いものでも日本では普通のボトルより高い。
「一万とかもね」
「いくのね」
「もっといくしね」
一万よりもだ。
「種類によっては」
「想像出来ない位高いものもあるのね」
「ワインも高いものになると凄くて」
それでだ。
「トカイもだよ」
「そうしたワインよね」
「うん、けれど親父は美味しいワインが好きで」
「値段にはこだわらないの」
「そうなんだ」
何でも高くてもまずいワインはあるとのことだ。
「口に合えばね」
「それでいいのね」
「そうした考えだからね」
「高いワインじゃなくてもいいの」
「安いワインでもいいんだ」
「こだわりがないの」
「美味しいならそれでいいんだ、というか値段にこだわるのは」
そのことはというのだ。
「味がわかっていない」
「そうした考えなの」
「そうなんだ、だからね」
「美味しいとなのね」
「安くてもいいんだ、ただやっぱりかなり安いワインは」
日本で言うと一本五百円いかない様なペットボトルのものはだ。
「あまりっていうね」
「安過ぎるものは」
「やっぱりね」
「それなりの味なのね」
「うん、しかも悪酔いするってね」
やっぱり安いだけにだ。
「言ってるよ」
「だから安過ぎるワインはなのね」
「親父も飲まないんだ」
「そうなのね」
「安いワインでも口に合えば飲むけれど」
本当にそうした親父だけれどだ。
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