八条学園騒動記
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第六百三話 途中のカレーその四
「観るんだ」
「わかったわ、そう言われると私もね」
メアリーはトムに言った。
「これまで一作も観てないわ」
「マウリアの推理映画とか」
「マウリア映画は観たことがあるけれど」
それでもというのだ。
「けれどね」
「僕もだしね」
「何かマウリア映画ってね」
メアリーはそれ自体の話もした。
「ジャンル定めにくくない?」
「ええと、何でもかな」
シッドはマウリア映画をこう評した。
「要するに」
「そうよね」
「歌と踊りがあって」
「それはミュージカルでね」
「コメディーがあってアクションがあって」
「恋愛もあって」
「もう何でも入れるよね」
映画の中にというのだ。
「それこそ」
「それで物凄く長いのよね」
「普通に何時間とかだから」
二時間どころでなくだ。
「それでジャンルはね」
「言いにくいわね」
「これだってね」
「どうしてもね」
「それで推理っていうと」
「ないわよね」
「絶対に歌と踊りはあるから」
この二つはマウリア映画には欠かせないことは言うまでもない、連合においても広く知られていることだ。
「ミュージカルっていうと」
「ミュージカルね」
「そうなるけれど」
「どういったジャンルかっていうと」
それを定義することはというのだ。
「どうもね」
「難しいよね」
「本当にね」
「そういえば何でも入れるね」
トムも否定しなかった。
「マウリア映画って」
「そうでしょ」
「もうそれこそね」
「あらゆるものを入れて」
「どれだっていう定義は」
「しにくいわね」
「かなりね」
こうメアリーに答えた。
「これが」
「そうでしょ」
「難しいわ」
「本当にね」
「それで推理は」
「やっぱり歌って踊って」
そしてというのだ。
「バトルもね」
「あるのね」
「それも超能力とかね」
「魔法もとかで」
「戦うらしいよ」
「推理で超能力ね」
メアリーはあらためて首を傾げさせた。
「普通はないわね」
「連合だとね」
「エウロパでもないんじゃないかしら」
「ホームズとかフレンチ警部は元々あっちの人だけれど」
このことは連合も認めてている、ただし連合のホームズはイギリスから移民してきて連合に入ったとなっているか彼の子孫かである。フレンチ警部も然りだ。
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