夢幻水滸伝
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第百八十九話 二つの島の統一その十三
「そうなるからな、一と一を足して」
「二になるのではなく」
「三にも四にもなる」
「そうした関係ですか」
「起きた世界でも、そしてな」
「こちらの世界でもですね」
「そうなるわ、というかニュージーランドって島国やからな」
マーガレットは今度は自国の地理的なことを話した。
「すぐに孤立するからな」
「それはオーストラリアもですね」
「お互いにそやからな」
「そこが問題ですか」
「それを補い合うな」
そうしたというのだ。
「関係でもあるわ」
「それはそうですね」
シェフも頷くことだった。
「確かに」
「お互いに必要とし合うな」
「まさにそうした関係ですね」
「二国は。同じ部分もあるけど違う部分もあって」
「そしてお互いに必要とし合う」
「そうした関係や、ほな使者の返事が来たら」
シチューの後はスパゲティだった、季節の野菜もふんだんに入れたペペロンチーノで大蒜も唐辛子も効いていてオリーブオイルが実にいい。
そのスパゲティを食べてからこう言った。
「それ次第でやってくで」
「はい、お話をするならそれで」
「断わられたらですね」
「またその時ですね」
「出来るだけお話で済めばええな」
こう言ってスパゲティを食べてだった。マーガレットはさらに言った。
「戦やなくてな」
「ですね、まずは使者の帰還を待ちましょう」
「それからです」
「それからどうするかです」
「そういうことでな」
マーガレットは食べつつ言った、そして赤ワインも飲み。
最後にキーウィを食べた、それから数日後彼女は使者の言葉を聞いた。それは話をしようという彼女にとって喜ぶべき言葉だった。
第百八十九話 完
2020・12・8
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