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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百五話 イルミネーションその十

「いいってされているんだよ」
「そうよね」
「その方が寒さ凌げるし」
「何か頼もしいって言われるのよね」
「そうした理由があるからね」 
 だからだ。
「その方がね」
「それもお国柄よね」
「ロシアのね」
 まさにだ。
「そうだよ」
「そこも国それぞれだね」
「日本は痩せている方がいいっていうけれど」
 日本以外の多くの国もそうだろうか。
「ロシアではそうだよ、それにね」
「それに?」
「あまり痩せていてもね」
 僕はつい顔を曇らせて言った。
「よくないしね」
「痩せ過ぎでもよね」
「かえってね」
「実際痩せ過ぎで大変なことになっている人もいるわね」
「太っていると駄目とか強迫観念になっていてね」
 男の人で女の人は痩せていれば痩せている程いいと考えていると言った人を知っている、これは違うことだ。
「食べなくなってね」
「どんどん痩せてね」
「もう骨と皮ばかりになって」
 脂肪どころか筋肉までなくなってだ。
「それでね」
「命までって人もいるわね」
「そうなると本末転倒だよ」 
 心からこう思う。
「もうそこまで痩せたら」
「骨と皮までになったら」
「痩せて奇麗になるって人が多いけれど」
 痩せる目的はだ、その多くは美容が目的なのだ。
「それでもね」
「けれどよね」
「そんな風になったら」
 身体が骨と皮ばかりになって命の危険すらある位になるまで痩せてもだ。
「絶対に奇麗じゃないよ」
「骸骨みたいになってるわね」
「お肌も髪の毛もボロボロになっていてね」
 そうなっていてだ。
「それでね」
「全然奇麗じゃないわね」
「もう目も虚ろになっているだろうし」
「目がそうだと」
「生気がなくなって」
 それでだ。
「幽鬼みたいになって」
「奇麗どころか」
 もうそれどころかだ。
「そんな風だよ」
「だからよくないのね」
「うん、あくまで適度だよ」
 痩せるにしてもだ。
「そんな風になったらね」
「本当に本末転倒ね」
「僕が知ってる痩せれば痩せてればいいって言った人も」
 この人もだ。
「昔太っていてね」
「それで何か言われたの」
「高校時代同級生の人に告白して」 
 それでだ。
「振られて太ってる人は嫌と言われてね」
「痩せる様になったの」
「いつも激しい運動をしてね」 
 そうしてだ。
「食事も制限してね」
「痩せたの」
「一八〇センチあってね」 
 背は大きな人だ。 
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