夢幻水滸伝

「信頼出来る豪商とか街の顔役とか酋長さんに会いたいわ」
「力のある奴にですか」
「このニュージーランドの」
「その人達と会ってですか」
「そうしてですか」
「私が直接自分のこと話してな」
　そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「協力してもらいますか」
「マンスフィールド様に」
「この世界を救う為に」
「そうお考えですか」
「まずはな」
　肉を食べつつ言う、店の中でうず高く積まれているマトンの分厚く切られたものを自分達で網の上に置いて焼きつつ食べているのだ。
「その人達に私に協力してもらう」
「金や権力ですか」
「それを貸してもらいますか」
「それで旗揚げですか」
「そうしますか」
「そうしよって思ってる」　
　実際にというのだ。
「まずはな」
「そうですか」
「じゃあ冒険者で性格のいい奴に声をかけます」
「けれどレベルはいいんですか」
「そっちのことは」
「強くても悪事働く奴は兵士に出来んから」　
　それでというのだ。
「そやからな」
「ああ、だからですか」
「強くても盗むとかされたら困りますか」
「そういえばそうですね」
「そんな奴ヤクザ屋さんと一緒ですから」
「ヤクザ屋さんや山賊や海賊は成敗するで」
　彼等はというのだ。
「これまでの冒険者の依頼でそうしてきたけどな」
「はい、それじゃあですね」
「そうした連中はどんどんやっつける」
「それで治安もよくしますか」
「ならず者達は倒していきますか」
「そこら辺のゴロツキとかもな、その中で罪の軽い者は軍隊に入れて性根叩きなおしつつ戦力にするけど」
　それでもとだ、マーガレットは話した。
「重罪人はな」
「死刑、ですか」
　サイクロプスが問うた。
「そうですか」
「そのつもりや」
「そうですか」
「もう鋸引きにしてもええし火炙りでも獣の餌にしてもええ」
　死刑にするならとだ、マーガレットは話した。
「もう死刑にするならな」
「徹底的にですね」
「惨たらしくじっくり時間をかけてや」
　そうしてというのだ。
「処刑するんや」
「そうしますか」
「どうせ処刑するんやったらな」
　それならというのだ。
「容赦せんことや」
「見せしめでもありますね」
　亀人も言ってきた。
「それは」
「そや、もう悪人はな」
「徹底的にですね」
「公開でじっくり殺してな」
「悪行の報いを受けさせて」
「そして悪人はこうなると」
「世に知らしめる、まあ極悪人なら」
　それならとだ、亀人も言った。
「別にです」
「そうしてもええやろ」
「はい、まことに」
「処刑のことをお話されるとなりますと」
　今度はサイクロプスが言ってきた。