夢幻水滸伝
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第百八十九話 二つの島の統一その二
「基本全部私が引き受けるから」
「おい、あんたがかよ」
「そういえばあんた気が尋常じゃねえな」
「一体レベル幾つだよ」
「俺達よりずっと強くねえか?」
「あの、いいですか?」
ここで先程事務所でマーガレットと話した羊人の女が酒場に来てマーガレットに言ってきた。服は十九世紀のタイプライターの作業員の様だ。
「貴女のことですが」
「何ですか?」
「レベル二百六十と出てますが」
「ああ、それだけですね」
「この能力値は」
データが書かれた紙を見つつ言うのだった。
「もう規格外ですが」
「そうみたいですね」
「あの、貴女はまさか」
「まあ今は内緒ってことで」
マーガレットは女に微笑み小声で話した。
「そのことは」
「そうですか」
「ちょっと今ここで言うたら騒ぎになりますので」
そう考えるからだというのだ。
「そやさかい」
「だからですか」
「そこはそういうことで」
「では」
「暫くは冒険者として暮らしていきます」
「そうされますか」
「何度か仕事してそこで名声が上がったら」
その時にというのだ。
「公にしますさかい」
「では」
「それまでは内緒ということで」
「わかりました、私は個人情報は守る主義です」
女は事務的な口調だったが礼儀正しい口調で微笑んで答えた。
「ですから」
「そういうことで」
「はい、それでは」
女は一旦下がった、そして。
彼女との話を終えたマーガレットは冒険者達にあらためて申し出た。
「ほんまに私が基本全部するからセクハラせんかったら」
「いや、俺虎人だから」
「俺亀人だし」
「僕サイクロプスだから」
「私はゾンビだぞ」
冒険者達は自分の職業から話した。
「種族が違うとどうもだ」
「交際したいとかそういうことしたいとか」
「そういう感情湧かないぞ」
「それはあんたもだろ」
「そういえば翼人とか天使とか天狗とか。あと精々天使とかやないぞ」
自分に姿が近い種族の者達のことを思い出して述べた、この世界に来てからこのことは感じていた。
「何も思わんわ」
「そうだろ」
虎人が言ってきた。
「ちなみに俺モンクだからな」
「ああ、職業はそっちか」
「そうだよ、それで俺もあんたにはな」
「そうした感情持たんか」
「俺はネコ系なんだよ」
「虎人とか獅子人とか猫人やないとか」
「人だとは思うぜ」
このことはというのだ。
「俺達と同じな、けれどぐっとくるものはな」
「ないか」
「あんたも俺にそういうもの感じないだろ」
「もふもふを感じるわ」
マーガレットは笑って答えた。
「その毛に」
「それはまた違う感情だろ」
「確かにな」
「そういうことだよ、同じ人でも種族が全く違うとな」
それならというのだ。
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