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夢幻水滸伝

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第百八十八話 西岸に着いてその十四

「私としては」
「やっぱりマトンの方がええな」
「はい、それで羊頭を掲げてと」
「言われる位に羊は美味しいけどな」
「日本ではあまり食べないですね」
「というかあの国明治まで羊おったんかいな」
 その名前は知られていてもというのだ。
「そもそも」
「豚も殆どいなかったそうですが」
「鹿児島の方で食べてたな」
「それに沖縄で」
 沖縄は元は琉球王国だった、ただ民族的には同じで琉球王家の祖先は源為朝だったと言われている。
「そうしていましたね」
「メジャーやなかったにしてもな」
「ですが羊は」
「知られてへんかったな」
「羊毛も使っていませんし」
 言うまでもなくオーストラリアの主要産業の一つである。
「そのことを考えますと」
「ほんまにな」
「羊は日本人には馴染みがなかったですね」
「そうやな」
「牛肉や豚肉、鶏肉は食べます」
「そして何よりシーフードや」
 シェリルは先程まで食べていたそれの話をした。
「お魚とかな」
「そういったものをよく食べて」
「羊はな」
「どうしてもですね」
「マイナーやな」
「そう言うしかないですね」
「こんなに美味しいのに」
 林檎ソースとよく合った見事な味のステーキを食べながら言う、尚ステーキはもう一枚焼いてもらっている最中だ。
「残念なことや」
「全くです」
「寮では時々出てるけどな」
「モンゴルやイスラムでもよく食べるお肉ですから」
「特にイスラム圏ではな」
「お肉といえば」
 まさにだ、この文明圏では。
「羊です」
「ほんまにな」
「そやから寮ではよお出ます」
 羊肉の料理はだ。
「私も好きです」
「私もや、けど普通にはな」
「ないですね」
「ほんまにな」
「食堂でも魚介類の料理が多く」
 八条学園のそこでもだ。
「羊肉のお料理は」
「ジンギスカンってあるけどな」
「少ないですね」
「そやな」
「そうした国ですね」
 日本はというのだ。 
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