夢幻水滸伝
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第百八十八話 西岸に着いてその八
「統一を目指すで」
「わかりました」
「それならですね」
「兵を徐々に進めてきますか」
「村や街に使者を送りますか」
「そうしてくで」
こう言ってだった。
シェリルはバースまで到達すると次は勢力を北に伸ばしていった、オーストラリアの村や街はむしろ進んで彼女の下に入っていった。
ダーガーはその状況を見つつ勢力を拡大していっていた、だが勢いはシェリルの方が圧倒しており。
ダーウィンにおいて部下達にこう言った。
「力量の差が出てるな」
「ダーガー様とシェリル様のですか」
「それが出ていますか」
「そう言われますか」
「そや、もう圧倒的や」
シェリルのそれはというのだ。
「やはりあの方は神星や、力がちゃう」
「間もなく我々の勢力と境を接しますね」
「あの方は今やオーストラリアの八割以上を掌握されています」
「そして我々と境を接する」
「そうなりますね」
「私はあの人と戦うつもりはない」
シェリルはこのことを言い切った。
「一切な、あの人の方が圧倒的に強い」
「神星なので」
「それで、ですか」
「あの人の方が強い」
「そう言われますか」
「そや、しかも私は別にオーストラリアを制覇するつもりもない」
そうした考えもないというのだ。
「盟主とかにも興味はない」
「ではですね」
「尚更ですね」
「戦うつもりはないですね」
「ダーガー様としては」
「こちらから話を申し出て」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「あの方の下に入りますか」
「そうお考えですか」
「起きた世界でも何度か話してるけど話のわかる人やしな」
ダーガーはこのことも話した。
「そやからな」
「それで、ですか」
「あの方とお話をされて」
「そしてですか」
「下に入られますか」
「そうするわ、ほな人を送るか」
ダーガーはこう言って自分から使者を送った、それはシェリルの下に入ることを前提として勢力を統合したいというものだった。
シェリルは使者からその話を聞いてすぐに言った。
「ダーガー君に伝えてくれるか」
「どの様にでしょうか」
「一緒にやっていこうとな」
「その様にですか」
「伝えてくれるか」
「わかりました、それでは」
「お互いの国境で会談をしてな」
そうしてというのだ。
「そこでオーストラリアの統一を決めるか」
「そうされますか」
「そしてや」
シェリルは微笑んで話した。
「これからどうするかもな」
「お話をされますか」
「そうしよな、ただな」
「ただといいますと」
「普通に話してもおもろない」
ここでこうも言ったのだった。
「そやからステーキでも食べながらな」
「お話をされますか」
「そうしたいこともな」
「ダーガー様にですね」
「伝えてくれるか」
「それでは」
使者はシェリルの言葉に頷いた、そうしてだった。
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