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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百三話 嘘を吐かないものその六

「卑劣な人、卑しい人、無責任な人、無反省な人がね」
「多かったの」
「それでそうした人達が主流になって」
 その知識人達のだ。
「おかしくなったんだ、マルクス主義じゃなくても」
 そうでなくてもだ。
「戦後最大の思想家があの吉本隆明だからね」
「何か義和の嫌いな人の一人よね」
「一切認めていないよ」
 それも完全にだ。
「読む価値ないと確信しているよ」
「そこまで嫌いなのね」
「オウムのあの教祖が偉大な宗教家とか最も浄土に近い人とか」
 本当にこんなことを言っていた。
「そんなこと子供でもわかるから」
「ああ、オウムの」
 香織さんもそう聞いて頷いた。
「あの人ね」
「偉大でも何でもないよね」
「お話聞くとね」
「とんでもない奴だよ」
 欲と野心しかない様なだ。
「本当にね」
「そんな人よね」
「うん、そんな奴を偉大な宗教家とか言ったんだよ」
「絶対に違うって私も言うわ」
「それまでの発言とか文章は知らないよ」
 はっきり言って確かめる気は誰に言われても全くない、そんなことに価値があるとも何一つ思えないからだ。
「けれど行き着く先がオウムなら」
「たかが知れているわね」
「七十過ぎて言ったから」 
 孔子がもう何をしても自然になったと言った年齢だ。
「それじゃあね」
「それまでもなのね」
「確信しているから」
 それまでも大したことがないとだ。
「何か何を言ってるかわからない文章を書いている時は教祖だったそうだから」
「戦後最大の思想家って言われていたの」
「そんな文章実は何もないってね」
 中身はだ。
「真実はいつもわかりやすいものだよ」
「そうなの」
「実際太宰治の文章凄く読みやすいよね」
「すらすら読めるわね」
「志賀直哉だってね」
 この人の文章も実際読みやすい。
「太宰はこの人嫌っていたけれど」
「どちらも読みやすいことは事実ね」
「うん、けれどね」
「その人の文章はそう言われているの」
「そうみたいだよ」
 本当に確かめる気は全くない、こんな奴の文章を読む位なら漫画やライトノベルを読んだ方が遥かに得られるものがある。吉本隆明の本を読むなんてそれこそ他人の誹謗中傷ばかり書いている日本の二大タブロイド紙を読むだけ時間の無駄だ。
「最初は何を言っているかわからなかった」
「そんなものだったの」
「そんなのを書いていたらね」
 難解と言われる文章や主張をだ。
「教祖になれたんだ」
「それで誰でもわかる文章になったら」
「只の思想家になったっていうよ」
「中身大したことなかったのかしら」
「小林秀雄の文章はわかりやすいよ」
 この人についてはそう思う。
「抽象的って言われるけれど」
「わかりやすいの」
「それなりの教養があったらね」
 この前提が必要でもだ。
「クラシックや古代史や古典の素養があったら」
「読めるの」
「わかりやすくね」
「そうなのね」
「芥川だってね」
 この場合は自殺する直前の最晩年だからかなり暗鬱だったり狂気が感じられたりするから読むには注意が必要だ。 
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