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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第九十五話 陸遜、ふと見つけるのことその九

「それじゃあやっぱりね」
「倒した牛は食べる」
「そうなるでしょ」
「そうですね。肉を捨てるということは」
「こんな勿体無い話ないでしょ」
「はい、ありません」
 まさにその通りだと。文姫も言う。
「それはしてはなりません」
「だからよ。食べると思うわ」
「そういうことですね」
「じゃあ。この後は」
 それもだ。楽しみだというのだ。
 そのうえでだ。紀霊が文姫に尋ねる。
「何食べる?」
「牛の料理をですね」
「そうよ。あんたは何を食べたいの?」
「あの。ローレンスさんがお好きだという」
 その料理はというと。これだった。
「ビーフシチューを」
「ああ、あれね」
「あれ美味しいですよね」
「ええ、とても」
 まさにだと。紀霊も応える。
「湯みたいでね」
「トマトとかで味付けをしてるし」
「御肉も柔らかくて」
「とても美味しいですね」
「はい、ですから」
「あれが食べたいのね」
「内臓も美味しいですし」
 彼女達は内臓も食べるのだった。
「あれも」
「そうそう。内臓もね」
「内臓はキムさん達がホルモンとして焼かれていますね」
「いいわよね、あれも」
「他にはステーキも」
 これもあった。
「牛も何でも食べられますよね」
「豚は捨てるところがないけれど」
 中国ではそう言われているのだ。豚はそうした肉なのだ。
「牛もそうよね」
「もっと言えば鶏もね」
「とにかく。どんな肉もね」
「捨てることなく食べられますね」
「毒があるやつ以外はね」
 そうだというのだ。食べられるというのだ。
「だからそれでね」
「ええ、食べましょう」
「はい、そうしましょう」
 こうした話をしながらだ。二人はローレンスが牛を倒すのを見守るのだった。そしてその後で。実際に様々な牛料理を楽しんだ。
 その夜陸遜は呂蒙とだ。こんな話をしていた。
 書庫から借りたその書を読みながらだ。その内容について話すのだった。
「周が一人の女に滅ぼされたとありますよね」
「あの女にですよね」
「はい、そうです」
 こうだ。呂蒙に話すのである。
「あの何をしても笑わない女によってです」
「王が惑わされ」
「幽王でしたね」
 それがその王の名前だった。
「王はその妃を笑わせる為にです」
「狼煙で諸侯を集めることを続け」
 その集る姿を見てだ。女が笑うからそうしたのだ。
「そしてそれによってでしたね」
「はい、そうでしたね」
 呂蒙もその話は知っていた。それで応えるのだった。
「それで笑わせていましたが」
「それで遂には諸侯から信頼を失い」
 そしてなのだった。遂には。
「現実に敵が攻めて来て狼煙をあげても」
「誰も信じませんでした」
「そしてそれにより」
「滅ぼされました」
 そうなったのだ。これで周は一旦滅んだのだ。
「ああなりましたが」
「思えばです」
 陸遜はここでこんなことも言った。
 
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