恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十五話 陸遜、ふと見つけるのことその六
「この国に巣食うな」
「言うなら寄生虫よね」
「そうした奴等よね」
「所詮はたかが知れている」
そうだというのだ。
「だが。あの家はだ」
「この国自体を壊そうとしていて」
「民も生贄に捧げようとしているのね」
「正直遥かに悪質よね」
「それを考えたら」
「そういうことだ。危険だ」
まさにそうだとだ。嘉神は指摘するのだった。
「無論あの宦官達も放ってはおけなかったが」
「だかそれ以上にだ」
示現もここで話す。
「あの家、そして刹那やアンブロジア達はだ」
「滅ぼさないと国が滅ぼされる」
「そんな相手よね」
こうした話をしてだった。彼等は書庫の中でこれからのことを考えていた。
そこにだ。陸遜が来たのだった。
その彼女を見てだ。荀彧が声をかけた。
「あっ、書よね」
「はい。何かいい書はありますか?」
「そういう書ばかり置いてるけれど」
荀彧にしても己が管理している書庫には自信がある。それでこう返すのだった。
「けれど具体的にはどういった書がいいかよね」
「できれば歴史書を」
それがいいというのだ。
「読みたいのです」
「ええと。それならね」
それを聞いてだ。荀彧は。
彼女のすぐ隣の書庫を指し示してだ。それで陸遜に話した。
「ここよ」
「その棚ですか」
「ここから五つ縦にね」
「それが全部ですね」
「それこそ三皇五帝の頃からのがあるから」
「じゃあ西周の頃のを」
「西周!?」
西周と聞いてだ。荀彧は眉を顰めさせた。
そのうえでだ。こう陸遜に話すのである。
「あの頃のことって殆んど残っていないけれど」
「そうですよね。記録が戦乱の中で燃やされて」
「それで殆んど残ってないけれど」
「それでもありますか?」
「あるにはあるわ」
ないことはないというのだ。
「けれど殆んどないから」
「それでも。御願いします」
「わかったわ。それじゃあね」
こうしてだった。陸遜は荀彧に案内されてその西周時代の書を借りたのだった。そのうえでだった。
彼女は書庫から去った。そして楓達も。
「じゃあ休憩は終わりにする?」
「そろそろそうするか」
「ええ、そうね」
荀彧が楓と翁の言葉に応えて言う。
「それじゃあまた再会ね」
「それにしても書の数が多いな」
示現は早速整理にかかりながら述べた。
「宮廷の書庫だけはあるか」
「そうでしょ。私も読みがいがあるわ」
「とてもね」
従姉妹達は息のあった調子で話す。
「それじゃあ早速ね」
「これで終わらせましょう」
こうしてだ。彼達は書の整理を進めるのだった。司馬家への疑念を深めながらだ。そのうえで彼等の仕事をしていくのだった。
広場でだ。ローレンスが巨大な牛を前にしていた。その彼を見ながらだ。
紀霊がだ。蔡文姫に尋ねていた。
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