夢幻水滸伝
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第百八十六話 発展その六
「実際にな」
「そういうことよね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「綾乃ちゃん一人でもやっていけん」
柱である彼女だけではというのだ。
「それもわかるやろ」
「それはな、僕等がおらんとな」
中里は芥川の今の言葉に頷いた。
「やっぱりな」
「国は動かん」
「そやな」
「他の星のモンがな」
「その通りやな」
「それに国家システムもないとや」
「あかんな、そやから僕等も今ここにおる」
中里はこうも言った。
「枢密院会議の場にな」
「そういうこっちゃ、それで今の会議やが」
「ああ、軍のことやな」
「太宰は軍の規模をどんどん大きくしたいって言うてるな」
「僕にも直接言うてきたわ」
中里は芥川に答えた。
「人口増加と共にな」
「そやな」
「それで軍の近代化も進めて装備もな」
「よおしてくな」
「これは僕も驚いたけどな」
中里はこう前置きして話した。
「軍の将兵の装備はミスリルとか魔法の武器でや」
「銃は自動小銃やな」
「それをしたいって言うてるわ」
「そんな装備冒険者で持ってるモンは殆どおらんわ」
芥川は彼等のことから話した。
「勿論軍でもな」
「標準装備やないな」
「軍の標準装備は鉄の槍にや」
「鎖かたびらとか皮の鎧とかな」
「鉄兜とかヘルメットた」
「それなりの装備やが」
それでもというのだ。
「あくまで量産のもんや」
「それがやな」
「ああ、鉄とか皮やなくてな」
「魔法がかかったもんか」
「具体的にはミスリルの鎧とか魔法の鎧とか」
「そうした装備にするっていうんやな」
「軍服も術にも耐性があって防御力の高いもんにして」
そうした生地のものにしてというのだ。
「将兵の標準装備として」
「全軍の攻撃力と防御力を上げるか」
「そうしてはと言ってきたわ」
「軍事費がかなりかかるな」
リーは中里が話す太宰の考えに真剣な顔で述べた。
「これまでより遥かに」
「ああ、しかも近代装備も充実させるからな」
「生半可やない」
「太宰はまずは国内の政治に予算を注ぎ込みたいらしい」
「つまり内政で国力を充実させたらか」
「その国力の予算でな」
それでというのだ。
「そうした装備にしたいって言うてるわ」
「ミスリルか、資源としてはあるけどな」
それでもとだ、リーは中里に話した。
「しかし高価なもんや」
「そうそう標準装備には出来んな」
「これまではな」
「それをか」
「太宰は刷新したいらしい」
「全員がかなりの攻撃力や防御力を持った武器を装備すれば」
どうなるか、リーはさらに言った。
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