夢幻水滸伝
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第百八十五話 内閣その十
「建築は」
「出来ますね」
「伊達に大工やないですよ」
これが房江の返事だった。
「ですから」
「それでは」
「はい、存分にやらせてもらいます」
「ではお願いしますね」
「ほなそういうことで」
「最後になりますが酪農大臣は」
太宰はあらためて話した。
「泉さんです」
「私ですね」
「牧童という職業で日本の酪農の経験があります」
「そやから」
「はい、ですから」
「引き続きという形で」
「家畜関係をお願いします」
そちらをというのだ。
「そういうことで」
「では」
「他の方は地方を担ってもらいます」
こちらのことをというのだ。
「前にお話した通りに」
「地方にもほんまに力を入れるんやね」
「中央集権国家ではあまりにも広大な領地なので」
太宰は綾乃にここでも話した、兎角このことを頭に入れてそのうえで国の仕組みを考えていることが出ていた。
「治めきれないので」
「地方分権でいくんやね」
「そうしますので」
それ故にというのだ。
「ですから」
「他の星の子達にはそれぞれの地域でやね」
「役職に就いてもらいます、ただ中央の要職も兼任してもらいます」
「中央のこともやね」
「そうした人もいます」
「そやねんね」
「ただそうした人は僅かで」
それでというのだ。
「やはりおおむね地方政治にです」
「頑張ってもらうんやね」
「そうです、あと労働組合ですが」
「結社の自由やね」
「認めます、ただ組合は」
太宰は難しい顔でこうも言った。
「自警団と同じく」
「まさかと思うけど」
「マフィア化身もしますので」
それでというのだ。
「注意したいです、労働省に大臣も置きますが」
「その話はしてへんかったね」
「はい、カマンダ君に兼任してもらいます」
「私は兼任ですか」
そのカマンダが言ってきた。
「外相と」
「はい、本来外相は激務であり要職で」
「他の閣僚職とは兼任は難しいですね」
「そうなのですが」
それがとだ、太宰はカマンダに話した。
「この世界では勢力が少なく」
「枢軸と欧州ですね」
「枢軸とは今は中立で」
「欧州は戦乱の地域で」
「どちらも外交の比重が少なく、しかも」
「外交のことはですか」
「リー君もおられるので」
首相である彼がというのだ。
「リー君は閣僚の首座として国政全般を担ってくれます」
「君は内政全般を統括やな」
「そうです、貴方の下で」
太宰はそのリーの言葉に答えた。
「そのうえで」
「そやな」
「はい、そうしてです」
そのうえでというのだ。
「国政を担います」
「私は内政だけやなくてやな」
「軍事も外交もです」
そうしたこともというのだ。
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