八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百一話 昔ながらのゲームその十
「ありそうよね」
「けれどね」
「それ位だったの」
「モーツァルトは一五八位だったし」
「今の日本の女の人位ね」
「そんな大きさだったから」
それでだ。
「日本人だけじゃないよ」
「そうなのね」
「ただね」
「ただ?」
「日本人の小ささは目立っていたね」
その昔の人達の中でもだ。
「それは事実みたいだね」
「そうなのね」
「軍人さんも小さかったしね」
今の自衛官の人達よりずっとだ。
「戦前はね」
「それでも強かったのよね」
「そうだけれどね」
「何か色々勉強になるわね」
「そうだね、太宰治は当時では大柄だったらしいし」
「あの人はそうだったの」
「一七五だったそうだよ」
その背はだ。
「何でもね」
「美形でしかも背も高かったの」
「ああ、太宰はお顔いいね」
言われてみればだ、太宰の写真を見ると確かに顔立ちが整っている。
「もっと言えばお顔もね」
「お顔もなの」
「だってね、頭が鋭くてね」
「それでそう言うのね」
「もっと言えば大金持ちだったしね」
「それ有名よね」
「太宰っていえばね」
この人のことで有名なことはだ。
「津軽の大地主の家だからね」
「今も政治家さんよね」
「お家はね、お父さんとお兄さんも政治家でね」
「凄いお家の人よね」
「あちらじゃ知らない人はいないって位の」
「そのこともあるし」
大金持ちの家の人ということもだ。
「やっぱり」
「もてたよ」
「美形で背が高くてお金持ちの家だと」
香織さんも言ってきた。
「もてない筈がないわね」
「そうだよね」
「実際人柄も悪くなかったみたいね」
「何回か自殺しようとしているけれど」
そして最後は心中だった、このことも太宰治について語るのならば絶対に外せないことであると思う。
「普段は明るかったらしいよ」
「躁鬱?」
「ああ、そうだったかもね」
あれだけ何度も自殺しようとしてそれで普段明るいとだ。
「どうも」
「そんな感じするわね」
「あの人はね」
「やっぱりそうよね」
「それでこの人の背はね」
「一七五あったのね」
「優男に見えるけれど」
イメージはそうでもだ。
「その実はね」
「大柄だったのね」
「そうだったんだ」
これがだ。
「それで言葉はね」
「津軽弁ね」
「もうそれはね」
津軽出身だっただけにだ。
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