re:俺の幼馴染は童顔過ぎて同じ歳にはみえない
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青葉、ねね、ほたる編
本編
俺と美術部の海合宿 前編
前書き
あけましておめでとうございます。
2021年もよろしくお願いします!!
「りくっち、もう少し右」
「これでどうだ」
「あと少しで・・・やったー、捕まえたぁー!!」
俺は今ねねと林でカブトムシを取りに来ていて、俺はねねを肩車してカブトムシを捕まえた所だ。
夏休みになり美術部の青葉とねねと星川と日高先生とで海まで合宿に来ている。青葉と星川は美大の受験の為に民宿で絵の試験の特訓をしている。美大を受験しない俺とねねは外に出て林の中でカブトムシを捕まえに来ていた。
俺はついこの間にイーグルジャンプの面接を受けて内定を貰った。来年の春には俺はイーグルジャンプに入社する事になった。ねねはまだ進学先を決めてない……ここでカブトムシを捕まえに来ていて大丈夫だろうか?
「ほら、早くあおっちとほたるん達に見せに行こうよ〜」
「あ、あぁ」
俺はねねを下ろしてから民宿に向けて歩き出した。
まぁ、ねねの事だから何とかするだろう。無責任だと思うが、ねねの人生だから進路の事は自分でどうにかするしかないからな。相談をされたら話でも聞いてやろう。
そんな事を思いながら俺はポケットに手を入れてねねと一緒に民宿に戻った。
**********
「ねぇねぇ、すごいすごいよー!!」
民宿に戻り部屋に戻ると日高先生と青葉と星川が居た。部屋には2枚の手が描かれたキャンパスが置いてあった。美大の試験は手のデッサンだったな……あれ、何故俺達はこんな海近くの民宿で合宿なんかしてるんだ?普通に学校で手のデッサンの練習をすればいいのによ。
「ほら、ねねっちと陸斗はこの自然を楽しんでるでしょう?」
「いや、俺も普通にデッサンの方がいいんだけど」
インドア派だからこんなジメジメしてる中外になんか出たくない。まぁ、極寒の雪原に居るよりマシだけど。
「陸斗は黙ってて!」
「そんな事より見て見て、カブトムシ!」
ねねはそう言ってカブトムシを持っている手を前に出して3人に見せつけた。星川と青葉はジーッとカブトムシを見ていて日高先生は嫌そうな顔をして背後に下がってねねから距離を取った。どうやら日高先生は虫が苦手みたいだな。
「すごーい、天然でいるんだ!!」
「ね!私も初めて見たんだ。りくっちが偶々見つけて二人で追いかけて捕まえたんだ〜」
「ちなつ先生もこっちに・・・あれ、どうして部屋の隅の方に居るんですか?」
星川は部屋の隅に居る日高先生を呼んだ。だが、日高先生は部屋の隅から一向に動きそうになかった。するとねねはニヤリっと悪い笑みを浮かべて日高先生の方に向かって歩き出した。
「ねねっち?」
「あれれ〜もしかしてちなっち虫苦手なのかな〜?」
「や、やめて・・・ほんと、ねねっち待って!!」
そしてねねは少しずつ日高先生にカブトムシを近づけていき、そして日高先生のお腹にカブトムシをピタッと引っ付けた。その瞬間日高先生は民宿中に響き渡る悲鳴をあげた。日高先生は虫が大の苦手だったみたいだ。
**********
「あれはお前が悪い」
「うぅ〜」
そして場所は民宿から海へと変わった。
あの後どうなったのかと簡単に説明すると、顔を真っ赤にして怒った日高先生はねねに拳骨をしてからお説教をした。青葉と星川は日高先生を落ち着かせようと仲介役に徹して、俺は1番の被害にあったカブトムシを林に逃がしに行った。カブトムシ逃したから民宿に戻って来たら水着に着替えた四人がそれぞれ荷物を持って出てきた。日高先生に『水着に着替えて海に集合、スケッチブックを持ってくる事!!』と言われて俺は自分の部屋に戻ってから水着に着替えてからスケッチブックと絵描き用の筆箱を持って海に向かった。
そして今に至る………
「砂浜なら虫もいないしここでスケッチしようか!」
「そんな事が理由で海にスケッチしに来たんですか?」
「それも一つの理由だよ」
いや、1番の理由だろ。あんな顔を真っ青になってこの世の終わりのような顔をしていた癖によ。
「もしかして海をスケッチするのですか?」
「のんのんか、このスタイル抜群のわたし」
「はぁ〜」
「・・・・・・・・・あっ、はい!」
「なんだよ今の間は!!それと陸斗、先生に向かってため息とはなんだ!!」
俺は更にため息を吐いてからパラソルの下に引いてあるビニールシートの上に座ってスケッチブックと筆箱を取り出した。
「はい、じゃあはじめ」
はい、よーいスタート(棒読み)
自称10代と同じだと名乗る少し頭のおかしい教師をスケッチするRTAはーじまーるよー。
タイムは日高先生がはじめと言った瞬間にスタートして絵を描き終えるまでの時間を計測します。
日高先生のポーズを取るのはランダムなので時々素っ頓狂なポーズを取って絵を描き終える時間を大幅にガバる事があります(0敗)
日高先生のポーズは運頼みなので少しはガバる事を承知の上で覚悟しておいてください!!(ジョル○風)
なんだかんだしてる内に絵は描き終えましたのでタイマーストップ。時間は1分14.51秒です……中々の記録ですね。完走した感想ですがガバる事なく無事に走り切りました。この記録なら他の兄貴達にも負けないと思います。
さてと、そろそろボケるのもやめよう。
俺と青葉と星川は黙々と日高先生をスケッチしている。日高先生は真夏の太陽の下ポーズを取り他の海に遊びに来ている人達の注目を少し集めていた。ねねは一人で浮き輪で海に浸かって楽しんでいた。
「暑い!退避!!」
「えっ!?」
日高先生はあまりの暑さで我慢の限界が来てポーズを止めてこちらに戻って来た。
「ちょ、立ってないと描かないじゃないですか!」
「え〜充分見たんだからなんとかなるでしょ?それに陸斗ならもう描き終わってるよ」
「「えぇ!?」」
すると青葉と星川は驚いた顔をして見て来た。
俺は青葉にスケッチブックを見せた。
「「こ、これは!?」」
「なんだよこの絵は、全然さっきのポーズと違うじゃないか!?」
「「さっきのちなつ先生だ!!」」
そう、俺はさっきのカブトムシに驚いている日高先生を覚えていたからスケッチして描いた。
「なんでこんな物を描くんだよ!」
「スタイル抜群(笑)な日高先生を描いただけですよ」
「ちゃんとさっきのポーズの私を描けよ!」
「分かりましたよ」
俺はそう言ってスケッチブックを受け取ってまた絵を描きはじめた。
「りくっち覚えてるの?」
青葉は不思議そうな顔をして俺のスケッチブックを覗き込んできた。
「少し見たから覚えてる」
「流石敗戦探偵。相変わらずの規格外だよな」
「人を化け物みたいに言わないでくださいよ」
化け物じゃなく、転生者だよ。
化け物は阿良々木くんだけで充分だよ。
「私も少し覚えてるから大丈夫だと思う」
「えっ、ほたるちゃんも!?ほたるちゃんの方が進んでないのに」
「単純だからな」
「うん、単純なポーズだもんね」
星川も賛同した。星川の知識量なら普通に描けるだろ。青葉にはまだ知識量は足りないから色々と不安定に描き上がるだろ。
そして青葉の描き上がった作品は俺の予想どおりだった。青葉は見たまま描いてるから日高先生がポーズを取るのをやめると描けてなかった所は不安定になっている。星川は形をしっかりと理解してから描いてるからしっかりと描けている。
そして次々とモデルは変わり、次にねねに青葉に星川と変わった。
「りくっち、もっとカッコいいポーズをとってよー!!」
「お前は絵を描かないだろ!!」
「りくっちもっと筋肉をムキッだしてよ!」
「インドア派に無理を言うな!!」
俺もモデルをやっている。
男のモデルも必要だと日高先生が言って俺がやる事になった。パーカーを着ていたけどねねに取られて上半身裸でモデルをしている。ねねと青葉はさっきから無茶振りばかり言ってくる。星川は顔を赤くしながらボーッと俺の方を見て来ている。
「おら、早く絵を描けやごらぁ!!」
「はーい」
「う、うん」
俺はイライラしながら二人に怒鳴った。
絵を描くのは好きだけどモデルは嫌いなんだよ!!
「はい、終了」
「早いよ!!」
「完走した感想をどうぞ」
「まだ完走してないよ!!」
俺はパラソルに戻ってお茶を飲んで休んだ。
暑いな……かき氷でも食べに行こう。
「あれ、りくっち何処に行くの?」
「かき氷を食べたいから海の家に行く」
「あっ、私も行くー!」
俺とねねは二人で海の家に向かって歩き出した。
自分達の分を買う序でに青葉と星川と日高先生の分も買ってからパラソルに戻った。
「かき氷買って来たよ〜」
「ねねっちすとっぷ!」
「ひぃ!!」
突然の青葉の大きな声に驚き変な声を出して固まった。そして青葉はジーッとねねを見ている。観察の練習をしているんだろう。
俺は青葉のデコにかき氷の入った入れ物を当てた。
「冷たい!!」
「はぁ〜、これでも食って頭を冷やして休んでろ」
「えっ。そ、それもそうだね・・・」
かき氷を青葉に渡してからビニールシートに空いている場所に座り、その隣にねねが座ってきた。
「適度に休憩しないとね〜」
「お前は休んでばかりだろ」
「休んでばかりじゃないよ!!」
休憩の後にもう一度スケッチをしてから終わった。
後書き
後半に続く
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