書いた作品は
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第二章
「もうね」
「作品としては」
「駄目駄目よ」
「そうですか」
「だからね」
それこそというのだ。
「作品を書くならね」
「完結させることですか」
「そうよ」
こう凛に話した。
「もうそうでないとね」
「作品を書くことはですか」
「駄目ってことよ」
「けれど」
ここでだ、凛は。
麻美子が書いて投稿しているその小説サイトのことから彼女に話した。
「部長が投稿されているサイトって」
「未完の作品が多いって?」
「はい」
実際にというのだ。
「そうですよね」
「あたしも知ってるわよ」
このことはとだ、麻美子も答えた。
「そのことはね」
「そうですか」
「あたしが投稿しているサイトだしね」
それだけにというのだ。
「知ってるわよ」
「そうなんですね」
「けれどね」
それでもとだ、麻美子は今も執筆しつつ凛に答えた。
「あたしは違うってことよ」
「書くならですか」
「最後までね」
それこそというのだ。
「完結させてね」
「それで、ですか」
「満足するのよ」
「そうですか」
「若しそれが出来ないならね」
作品を簡潔させられないならというのだ。
「もうね」
「最初からって勢いですけれど」
「そうよ」
実際にとだ、やはり書きながら言う。キーボードを動かす手が止まることは決してないという感じである。
「書かないことよ」
「厳しい意見ですね」
「じゃああんた未完の作品読みたいの?」
麻美子は凛に問い返した。
「そもそも」
「中断の作品ですか」
「明暗でもね」
それが例え作者死去でそれからは賭けなくなってもというのだ。
「それでもね」
「そう言われますと」
麻美子もだった。
「やっぱり」
「そうでしょ」
「完結していないと」
凛も答えた。
「嫌です」
「それが答えよ」
まさにというのだ。
「だからあたしもね」
「作品を書かれるならですか」
「そうよ、絶対にね」
「完結されるんですね」
「中学校の時ね」
麻美子はさらに話した。言いながら当時のセーラー服姿を思い出した。だがその時の姿も7発育がいい。
「書いたり設定とか考えても」
「それでもですか」
「未完ばかりだったんだよ」
「書くことは書いてもですか」
「中二までそればかりでね」
麻美子はこのことを苦い顔で話した。
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