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夢幻水滸伝

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第百八十三話 星の者達の成長その十三

「それからな」
「ああなったんやな」
 施の顔は真顔であった。
「壮絶にネタを披露する」
「そうしたチームになったんや」
「そやな」
「大抵投手陣はええけどな」
「特に中継ぎ抑えは充実してるな」
「それでもな」
 このことはいいが、というのだ。
「打線がな」
「お話みたいに打たんかったな」
「しかも守備悪い時多いしな」
「肝心な時にエラーしてな」 
 トウェインも阪神の話に苦笑いで入ってきた。
「それが試合を決めてたな」
「そや、もうネタレベルでな」
「エラーも出たな」
「阪神のエラーはここぞという時に出てや」
 そしてだったのだ。
「そのうえでな」
「取り返しがつかんな」
「そんなエラーばかりや」
「エラーの失点は返ってこんっていうしな」
「それが実際にやからな」
「困ったもんやな」
「しかも打線がな」 
 阪神の最大のネックであるこれはというと。
「もうな」
「笑えるレベルで打たんかったな」 
 このことは羅が指摘した、苦笑いだがそこには糾弾するものもあった。
「二対一とか三対一とか一対零とかな」
「あと三対二とか四対二とかな」
「そんな点数で負けてばかりやったな」
「ソフトバンクや日本ハムが羨ましかった」
 伝統的に打線が強いこうしたチーム達がというのだ。
「ほんまにな」
「そやったな」
「兎に角な」
「阪神はやな」
「ほんまに打線が打たんかった」
「打ってる時は稀やったな」
「バースさんがおった頃とかやったな」
 あの日本一の時だ。
「ほんまに僅かやった」
「今の毎年チーム打率二割八分、ホームラン二百本のチームとはちゃうと」
「そや、投手陣はそのままでもな」
 中里はシェリルにも話した。
「ここぞって時にまさかのそれも絵になる負けを喫してな」
「ネタになり続けてきた」
「そんなチームやった」
「一九七三年最終戦、一九九二年のペナント」
「そしてあの三十三対四、あと二〇〇八年に二〇一五年」 
 中里はさらに言った。
「昭和三十七年と三十九年のシリーズも絵になる負け方やった」
「三十七年は東映がシリーズMVP二人出したやろ」 
 シェリルはこのことを指摘した。
「そやったな」
「シリーズMVP二人は後にも先にもこの時だけや」
「三十九年はスタンカさん二日連続完封でな」 
 伝説の御堂筋決戦である、関西球団同士のシリーズだったのでこの名前になった。
「負けたわ」
「ある意味凄いわ」
「あと二〇一四年のシリーズも酷かった」
「ソフトバンク日本一の胴上げの横で抗議してて」
「ネタを提供しまくってた」
「そんなチームやったら」
「東京でも実は阪神ファン多いんですよ」
 麻友はこのことを言ってきた。
「実は」
「おいらも麻友っちもヤクルトだけれどな」
 幸田も言った。 
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