八条学園騒動記
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第五百九十四話 正門にてその八
「これに触れていないとだ」
「捕まらないし」
「何もされない、しかし」
「それでもっていうのね」
「そこまで馬鹿な奴はやがて誰からも相手にされなくなる」
そうなるとだ、アルフレドは妹に話した。
「そんな他人のことをわからずだ」
「わかろうともしないで」
「法律のこともわからない様な奴はな」
「馬鹿過ぎてね」
「他人のことを全く思いやれないレベルだとだ」
そして思いやろうともしないならというのだ、言うまでもなくテロの犠牲者の人達にも人生や大切なものがあり友人や家族がいたのだ。
その人達のことを考えず権力に反対するのならテロで人を殺してもいいという考えの持ち主ならというのだ。
「生きる価値すらないからな」
「そんな馬鹿は誰からもよね」
「相手にされなくなる」
「そうなるのが筋ね」
「お前はそんな馬鹿と付き合いたいか」
「絶対に嫌よ」
ビアンカは一言で言い切った。
「絶対に」
「そうだな」
「交際以前にね」
「友達としてもな」
「絶対に自分だけでね」
それでというのだ。
「人のことをね」
「思いやらないな」
「殺された人の命や遺族の人達の悲しみとか理解しようとしないなら」
「何の為に生きている」
「権力に反対する連中が何してもいいのなら」
「自分が何かされることだ」
「それで絶対に自分がされたら怒り狂うから」
そうした輩の常だ、そうした輩は自分のことしか考えていないからだ。だから他人の痛みもわからないのだ。
「もうね」
「付き合いたくないな」
「友達としてもね」
「本当にそんな奴はね」
ロミオは眉を顰めさせ口をへの字にさせて言った。
「生きていてもね」
「意味がないな」
「害にしかならないね」
「世の中残念だがな」
「生きていてもだね」
「害にしかならない奴がいる」
「悪質な犯罪者に」
連合ではこうした輩は容赦なく惨たらしい刑罰で処刑される。
「そうした連中だね」
「そうだ」
「犯罪者でなくてもね」
「そこまで愚かだとな」
「生きていても仕方ないね」
「誰かの役に立とうとも考えないしだ」
「発想すらね」
最早その段階でというのだ。
「ないね」
「その通りだ」
「そんな奴だと」
それこそというのだ。
「もうね」
「生きていてもだな」
「意味ないよ」
「害にしかならない」
「本当にね」
「そうした奴は献血すらだ」
誰でも出来る人の為にすることだ。
「しない」
「そうだよね」
「生きていて一度もな」
「そんな奴も世の中いるしね」
「普通の人は生きていて一度はな」
「献血もするね」
「それで何かしらの人の役に立つ」
尚この時代の連合では売血制もある、そうして小遣いを稼ぐ人もいる。だがそれでも人の役には立っていることは事実だ。
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