夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百八十三話 星の者達の成長その二
「恐ろしいな」
「そしてその災害がだ」
「東京は多いな」
「実にな、街が出来てからずっと悩まされてきた」
「火事に地震に台風に雷にかいな」
「特に先の二つにな」
「火事に地震やな」
「江戸時代は何度も大火が起こった」
日毬は苦い顔で述べた。
「多くの人が亡くなった」
「その火事でかいな」
「そして地震でもな」
こちらの災害でもというのだ。
「多くの犠牲者が出て来た」
「関東大震災とかか」
「幕末にも起こっている」
その大地震はというのだ。
「富士山も噴火したしな」
「何かと大変やねんな」
「その都度再建されてきたが」
多くの災害からだ、東京は江戸の頃から幾度も災害で壊滅的なダメージを受けたがそれでも復活してきたのだ。
このことからだ、日毬は言うのだった。
「蘇ってきた、そしてだ」
「それでやな」
「その文化もだ」
東京のそれもというのだ。
「そうした中で育まれてきたのだ」
「そうやねんな」
「だから関西とはな」
「また別の文化やねんな」
「そうなっている、服の趣味もだ」
これもというのだ。
「一点豪華主義、一見地味でもそこに何かがあったり等な」
「そういう風になったんやな」
「これは幕府が時々する風紀の厳格化に対する為だ」
「何とかの改革か」
「それに備えてだ」
「贅沢な服とかは着んかったりか」
「していた、そして武士はな」
自分達の先祖のことも話すのだった。
「質素だった」
「武士は貧乏やったな」
「生活が苦しかった、私のご先祖の方々もだ」
旗本それも三千石や四千石とも言われる大身の家でもtろいうのだ。
「それでもだ」
「貧乏やったんかいな」
「将軍の方でもそうだったしな」
「それでやな」
「武家文化は質素なものだった、この武家文化もだ」
これもというのだ。
「東京の文化にはある」
「さっきお侍さんの話したしな」
「そして町人文化は基本華やかだ」
そうだったというのだ。
「歌舞伎に浄瑠璃、落語にとな」
「時代劇の世界やな」
「職人が造ったものを売っているお店もあってな」
「それで長屋もあってやな」
「娯楽小説も流行り」
その中には八犬伝や東海道五十三次もあった。
「実にだ」
「華やかやねんな」
「その町人文化もあってだ」
「独自の文化が出来てか」
「そしてお蕎麦もだ」
日毬が今食べているこれもというのだ。
「だしのことが大きい」
「そっちのだしかいな」
「東京の蕎麦つゆは黒いと言われるが」
「実際黒いな」
愛がすぐに言ってきた。
「そっちの蕎麦つゆは」
「墨汁の様にだな」
「そう思ったわ」
「そうだな、それは醤油の黒さでだ」
「実際に味も辛いしな」
「そうだな」
「だだっ辛いな」
東京の方の蕎麦つゆはとだ、愛は言った。
ページ上へ戻る