八条学園騒動記
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第五百九十四話 正門にてその一
正門にて
三人は正門に着いた、すると。
大勢のガードマン達がそこに立っていた、そしてその中に。
牢名主の様な初老の男が座っていて鋭い目を動かして周りを見回していた、ロミオはその彼等を見て言った。
「凄いね」
「軍隊の門みたいね」
ビアンカもその彼等を見て言った。
「本当に」
「そうだよね」
「こんなのだとね」
「おかしな人も入らないね」
「そうね」
「特にあの人だな」
アルフレドはその初老のガードマンを見て言った。
「責任者だと思うが」
「凄い目してるわね」
「プロだな」
「ガードマンの中のガードマンね」
ビアンカはこう言った。
「あの人は」
「そうだな、この警護だとな」
「変な人も入れないわね」
「絶対にな」
「鉄壁ね」
ビアンカは言い切った。
「これは」
「そうだな、外からはな」
「おかしな人は入れないから」
「その分おかしな人が少ない」
「そういうことね」
「そして中はね」
ロミオはこちらの話をした。
「風紀部が見回っているから」
「いつもな」
「学園中の風紀部がね」
「だから治安がいい」
「そういうことだね」
「若しガードマンの人達がいなくてだ」
アルフレドはその場合を話した。
「そしてだ」
「風紀部もいなかったら」
「文化祭の治安はだ」
それはというと。
「なっていなかった」
「そうだよね」
「警察が何故あるか」
社会に存在しているかというのだ。
「それは必要だからだ」
「警察がないとね」
「悪人のやりたい放題だな」
「そうなるね」
「法律も警察もないとな」
無政府主義者の主張だ、そうしたものをなくして完全に自由な社会を実現しようという思想である。
「それこそだ」
「世紀末になるね」
「世紀末救世主の世界だ」
「核戦争の後だね」
「若しくは魔界都市かだ」
菊池秀行のこのシリーズもこの時代にも存在している。
「震災後の関東だ」
「バイオレンスだね」
永井豪のこのシリーズも続いているのだ。
「ああした風になるんだね」
「暴力だけが蔓延ってだ」
「弱い人は泣くだけだね」
「そうした社会になる」
「それが無政府主義なんだね」
「自由どころかだ」
「暴力が法律になって」
そしてとだ、ロミオも言った。
「ならず者達がやりたい放題やる」
「そんな社会になる」
「絶対になって欲しくない社会だね」
「そうなるからだ」
だからだというのだ。
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