夢幻水滸伝
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第百八十二話 枢軸の神具その七
「そしてや」
「発展しますね」
「そうなる、しかも僕等も全員政にかかるしな」
「当面は内政に専念するで」
リーは中里にこのことを告げた。
「ええな」
「やっぱりそうなるな」
「折角統一したんや」
それならというのだ。
「太宰君の考えに沿ってや」
「統治システムを整えてな」
「治安をよおしてインフラを整えてや」
「産業も興してな」
「もう領土全体をや」
「発展させなあかんからな」
リーもこのことはわかっていて言う。
「そやからな」
「内政に専念してやな」
「国を整えるで」
「だからなのですね」
ターリャはかき氷を食べつつ二人に微笑んで述べた。
「私達と当面中立条約を結んだのですね」
「ああ、否定せんで」
中里はそのターリャに軽く笑って返した。
「そのことはな」
「やはりそうですね」
「国を整えてる時に攻められると鬱陶しい」
だからだというのだ。
「それでや」
「こちらも同じ事情なのです」
「そやな」
「広大な領土を治めるのに必死なのです」
「ほんまお互いそこは同じやな」
「では暫くはなのです」
寝た時に入るその世界ではというのだ。
「お互い不干渉でかつ平和になのです」
「やっていくな」
「ただし。中立条約が終わり」
その期限が来てというのだ。
「そしてなのです」
「お互い内政が整ってるやろしな、その時は」
「戦をして」
「雌雄を決しような」
「そうするのです」
「楽しみですわ」
エカチェリーナはアイスミルクティーを飲みつつ上品な笑顔で述べた、その巨大で形のいい胸が揺れた。
「その時が」
「戦をしてか」
「雌雄を決する時が。皆さんがわたくし達の軍門に降り」
そしてというのだ。
「あちらの世界でもお友達になる時が」
「そっちが勝つんやな」
「そうですわ、そして」
エカチェリーナはさらに言った。
「共に世界を救いましょう」
「欧州やアラブの連中も入れてな」
「そうしましょう」
「ああ、しかし勝つのはこっちやとな」
中里はこう返した。
「言っておくで」
「お互いにですわね」
「ああ、そこは引けんな」
「だからこそ戦になりますわね」
「そや、それではな」
「あちらの世界では」
「暫くお互い不干渉でいこうな」
中里はこう言ってグリーンティーを飲んだ、それからだった。
アイスクリームを食べている綾乃に問うた、あらためて見る綾乃の胸は形こそ違うが大きさではエカチェリーナのそれに負けていなかった。
「首都は何処にするかはな」
「まだ考えてへんで」
「そやな」
「太宰君が言うには都は複数置くらしいで」
「領土がめっちゃ広いからやな」
「一つやなくてな」
そうするというのだ。
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