MOONDREAMER:第二章~
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第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
エピローグ その後の彼女達
※この回は、MOONDREAMERの一区切りの内容を終えたという事で、心機一転の為の準備として普段とは指向を変えて主人公:黒銀勇美の一人称にて綴ります。
一人称で書くのはこの回のみとなりますのでご安心下さい。逆にこれから一人称に変更されるのを期待した方はごめんなさい。ネット上では一人称好きが多いですからね。
普段からMOONDREAMERを一人称にするのは私には難しいですね。世の中には一人称でも難なくファンタジーやバトルを描く人もいますが、私には無理ですね。そもそも一人称は特殊な時しか用いたくありませんので。
以上の事を踏まえた上でお読み下さい。
【エピローグ その後の彼女達】
初めまして……じゃないよね、今までずっと私の事を見て来てくれたんだものね。
そう、私こそ黒銀勇美。この物語の主人公なんてものをやらせて頂いた中学二年生の女の子よ。そして、改めて新しく加わらさせてもらった幻想郷の住人だよ。
今回は私が依姫さんと別れた後のみんなの事を話しておくね。それにしてもあの時依姫さんに勝てなかったのは惜しかったよ。絶対に不可能とはいかない所までは行っていたんだけどなあ……。
それはさておき、みんなの事だよね。それじゃあ一人ずつ話していくね。
◇ ◇ ◇
まず、メディスンちゃんね。私と最初に友達になってくれたかけがえのない子だよ。
勿論、あれからも私の彼女の友達関係は続いているよ。それが関係しているのか、大分『トゲ』が抜けたようで周りの人も接しやすくなったみたい。もし私のお陰だったら嬉しいね。
でも、人形解放の件は完全には諦めてくれていないみたいだね。これは無理ない事かも知れない。復讐心ってのは、芽生えたらそう簡単には消えないものだって、私もよく分かるもの。でなければ母親の元から完全に離れて幻想郷に移住させてもらうって事はしなかっただろうから。
次に妹紅さん。彼女は私の認識している限りでは輝夜様とは殺し合いをしてないみたいね。二人とも私に気を遣っての事かも知れないけど。
それから、今でも妹紅さんの頼みで慧音さんの状況報告は怠っていないよ。慧音さんは妹紅さんにとって一番大切な人だし、私も慧音さんには初めて幻想郷に来たときの恩があるから欠かしてはいけない事だね。
レミリアさんは相変わらず派手な事を好んでやっているよ。でも、依姫さんが自分にはないものを持っているからと、彼女とは積極的に関わる事を勧めているね。
だから私は永遠亭の人の付き添いで、彼女が開く催し物には進んで参加するようにしている。それに、私と同じで妹の事をとても大切にしている吸血鬼だってのがよく分かっているから、私としても彼女との関係は大切にしたい。
あれから魔理沙さんとは何かと気が合うみたいね。男の子みたいな性格ってのが私と通じる所があるからかな。
でも、より親睦を深めようと彼女の事を『まーちゃん』って呼ぼうとしたら露骨に嫌そうな顔をされたっけ。うん、何事も程々が一番だって事だね。
後、やっぱり彼女は本を一生借りるという名の窃盗は止めていないよ。これ、外の世界でやったら確実におまわりさんのお世話になるね。
でも、心なしかその頻度は減ったように思えるね。
鈴仙さん。彼女は永遠亭に帰る場所を選んだ者同士として、一番関係を大切にしていかないとね。彼女から色々教えられる事があるし、光栄な事に鈴仙さんも私から教えられる事があるみたい。
つまり、持ちつ持たれつって訳ね。私もこの関係は長く続けていかなくてはと思う。
妖夢さんは相変わらず幽々子さんに振り回されて大変そう。そして、彼女の為にも私は依姫さんから学んだ事を活かしていかなくてはと思う。
何せ、妖夢さんは大切な師に当たる人が途中で自分の元からいなくなってしまったのだから。だから、私は師に恵まれた者としてより励まなければならないのよね。
早苗さん……。うう、この人の事は余り話題にしたくない。つまり、相変わらず私に迫る態度は琴線の切れたトチ狂ったものって事。全く、私はペットじゃないっての。
でも、互いに外界出身って事で彼女とは貴重な間柄ね。どちらにとってもなくてはならない存在と言えるんじゃないかな。ペットになるのは勘弁だけど。
天子さん。彼女とは天界に住む天人、それも領主の娘という立場である事もあって中々遭う機会が無いのは残念ね。
でも、彼女との関係は絶対に無くしたくはない。何故なら同じ『持たざる者』同士なのだから。
でも、やっぱり衣玖さんの方が憧れる人ってのは秘密ね。
跳流さん。この子と出会えて私は本当に良かったと思う。彼女のお陰で純粋な悔しさと立ち上がる心を知る事が出来たのだから。
だから彼女とは今でも互いに競い合っている仲なの。やっぱりこの子のような良きライバルって成長に必要だと思う。
あの後跳流さん自身は人里の農家のお手伝いをするようになったよ。前に自分の姿を制御出来なくて畑を食い荒らしたお詫びと、食べてばかりの側じゃなくて作る側の気持ちを良く学びたいからだって。その健気さは私も見習わないとね。
紫さん。この人には本当に感謝しないといけない。この人のお陰で私は幻想郷を知る事が出来、そして住む事が出来るようになったのだから。
この人の為に私が出来る事を可能な限りしていかないといけないと思うけど、遭う機会が少ないのが残念。何でも日単位で眠るのが習慣になっているそうだから。いくら妖怪でも、その生活習慣はいけないと思う。こればっかりは見習いたくはないね。
最後に……、依姫さん。この人が私の一番大切な存在。私の人生を変える切っ掛けを作ってくれたのだから。それはいくら感謝しても感謝しきれないというもの。
あれからあの人は月に帰ったのは知っての通りだと思うけど、それからも手紙のやり取りは欠かしていないよ。向こうでも元気でやっているようで安心。
それに、依姫さんがいなくても私は一生懸命やっていかなくてはいけないから。それがあの人に私が返せる、せめてもの恩だからね。
それから前にも言った通り、私の夢は小説家。その夢は幻想郷に来た時から決めていた事よ。この素晴らしい世界を題材にして物語にしたらどれだけ素敵かと思うと、私にはその目標しか見えなくなったの。
だからこれからも幻想郷ですべからく自分らしく生きていくのが、私自身の為にもなると思うの。
幻想郷よ、どうかこれからも私を受け入れて下さいね。
第二章【MOONDREAMER】完。
第三章【MOONDREAMER リベン珠】に続く。
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