夢幻水滸伝
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第百八十一話 世界を脅かすものその八
「行うのじゃ」
「そうですか、芥川君もその時は」
「僕はうんとは言ってへんぞ」
芥川はボームに真顔で言った。
「言っておくけどな」
「そうでしたか」
「そや、僕のこともあるやろ」
「結婚は二人でするものですしね」
「そや、それでや」
「そういうことですね」
「あれっ、結婚するんやないの?」
黄が芥川に真顔で返した。
「君は碧ちゃんと」
「そんなん言うたことないやろ」
「そうだったかな、それにこの前商店街で一緒にいたよね」
黄はこのことも話に出した。
「駅前のね」
「あのことか」
「一緒にゲームセンター行ってたね」
「そやったけどな」
「否定しないし」
「けど結婚するとかはな」
「認めないんだ」
黄が芥川をじっと見て言った、言いつつたい焼きを食べている。
「そうなんだね」
「何で認めるってなるねん」
「だってもう後はね」
それこそというのだ。
「君がうんって言えばね」
「結婚か」
「それが決まるからね」
「そやな、もうこうなったら」
魯は強い声で言った。
「一生添い遂げるって言ってな」
「何でそうなる」
「だからそこはね」
「そこは?」
「流れだよ」
「流れって何や」
「恋愛はもう哲学とか理詰めじゃないからね」
魯は笑ってこうも言った。
「もう自然にね」
「なってくとかいうんか」
「そう、言うなら筋書きのないドラマだから」
「恰好よく言ったな」
「それで君もやで」
「碧ちゃんとか」
「そうなったよ、けれど女子力高いよね」
碧は実はそうだ、そのことも指摘された。
「何かと」
「それはな」
「性格も悪くないしね」
「まあな」
「こう言ったら何だけれど実家お金持ちだよね」
「広島の方の地方財閥やった家の娘でな」
このことはもう有名になっている、八条グループの系列にいる感じで広島では今でも幅広く事業を展開している。
「古い家や」
「それならいいじゃない」
「あそこまで男好きでもか」
「相手は君一人って言うし」
「悪い話やないやろ」
ゴーディマーも言ってきた。
「実際に」
「自分もそう言うか」
「乗るんや」
ゴーディマーは芥川にこうも言った。
「ここは」
「それで結婚せいっていうんか」
「そや、好条件ばかりやろ」
「そう言われるとな」
「では早速入籍してじゃ」
またその碧が言ってきた。
「それで実家に一旦帰って式挙げてじゃ」
「学校どないするんや」
「学校はその間休むんじゃ」
式を挙げる間はというのだ。
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