夢幻水滸伝
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第百八十一話 世界を脅かすものその七
「一体」
「だからじゃ、区役所に婚姻届け出してじゃ」
「結婚してか」
「初夜を」
「お断りや、というか婚姻届け出してすぐか」
「おっと、式が先じゃった」
突っ込む芥川にこのことを思い出して言った。
「そうじゃった」
「初夜はか」
「そうじゃ、それから婿殿の身体を貪るのじゃ」
にまあ、とだ。碧は如何にも好色そうな笑みを浮かべて言った。
「そして婿殿もわらわの身体を隅から隅までのう」
「そうせいっていうんやな」
「そうじゃけえ、それで子供を何人でもじゃ」
「一応聞くが碧ちゃんって経験ないやろ」
このことはルルフォが問うた。
「そやろ」
「純潔は守っとるけえ」
「そやな」
「わらわは大和撫子を目指してるけえ」
だからだというのだ。
「それでじゃ」
「手をつないだこともやな」
「そうじゃけえ」
その様にしているというのだ。
「ないけえ」
「それでそんなん言うか」
「そっちの勉強も欠かしとらんけえのう」
さからだというのだ。
「小説も漫画もビデオも全部目を通してるけえ」
「本格的にやな」
「勉強しとるけえ、ただ純愛もの専門じゃ」
「そうなんか」
「ネトラレとか強引なのは論外じゃ」
そうだというのだ。
「何があっても」
「そうなんやな」
「そうじゃ、わらわは婿殿と生涯添い遂げるけえ」
だからだというのだ。
「操を守って浮気もせん」
「そこは真面目やな」
「そして婿殿と毎晩じゃ」
ここでも芥川を見て言った。
「そうするけえ」
「そうなんやな」
「そしてじゃ」
それにというのだ。
「婚姻届け出してじゃ」
「そしてやな」
「式を挙げて初夜じゃ」
「それで服は何ですか」
このことはボームが尋ねた。
「式の時のそれは」
「当然白無垢じゃ」
碧はボームににこりと笑って答えた。
「それ以外はないけえ」
「おお、大和撫子ですね」
「だからじゃ」
それでというのだ。
「わらわは式の時はそれじゃ、ただウェディングもじゃ」
「着られますか」
「そうしたいのう」
こうも言うのだった。
「わらわとしては」
「どちらも着られて」
「婿殿とな」
やはりここでも芥川を見た。
「そうしたいのじゃ」
「式は念入りにですね」
「個人的には人生で一度のことじゃからな」
「念入りにですね」
「そして豪華にじゃ」
碧は夢見る顔で話した。
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