八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百九十七話 終業式が終わってその十三
「相当なことしてきたんだよ」
「そうだったんだ」
「あの人はな」
「脚気のことでいい人とは思っていなかったけれど」
「権力志向が強くて権威主義でな」
「色々やってたんだ」
「だから評判が悪かったんだよ」
人間としてはそうだったというのだ。
「お医者さんとしてもあれだったしな」
「脚気だね」
「ああ、それでああした人もいたりしてな」
「色々あるんだ」
「けれど本物の医者ならな」
それならというのだ。
「患者さんはな」
「分け隔てしないんだ」
「当然弱い人でも貧しい人でもな」
「助けるんだね」
「もう立場とかに関係なくな」
親父の言葉は真剣なものだった、今も。
「助けられる人からだよ」
「助けることなんだ」
「それが医者の義務だよ」
「助けられる人から」
「いざって時はな」
助けられる人とそうでない人両方がいる時はというのだ、世の中事故や災害でそうした時がどうしてもあるけれどだ。
「そうしてな」
「助けることが義務だね」
「権力者とか金持ちとかな」
「逆に普通の人や貧しい人でも」
「本当にな」
「助けられるならだね」
「助けることだ」
そうした人からというのだ。
「それが出来ないとな」
「駄目なんだ」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「嫌な奴を助けることはな」
「親父としてはだね」
「本当に嫌だな」
このことはというのだ。
「どんな患者さんでも助けることが義務でもな」
「嫌な人はだね」
「ああ」
実際にというのだ。
「嫌だな」
「そうなんだね」
「ああ、性根の腐りきった奴や威張り散らした奴とかな」
「親父そうした人達嫌いだからね」
「そうした奴を助けることはな」
どうしてもというのだ。
「本当にな」
「嫌なんだね」
「ああ、義務でもな」
「そうなんだね」
「ああ、まあこうした話は覚えておいてくれ」
「これからの為にだね」
「そういうことでな、じゃあ明日はな」
クリスマスの話に戻った。
「楽しんでこいよ」
「そうしてくるね」
「俺もそうするしな」
「そっちでだね」
「そういうことでな、あとな」
「あと?」
「クリスマス一人で過ごしてどうとかいう奴いるな」
この話もしてきた。
「クルシミマスとか言ってな」
「リア充爆発しろとか言って」
「そう言う必要はないんだよ」
一切という言葉だった。
「別にな」
「一人なら一人でだね」
「ああ、楽しめるからな」
クリスマスはというのだ。
ページ上へ戻る