八条学園騒動記
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第五百九十二話 一日の売り上げその四
「皆でやると解決出来たりもする」
「人間一人一人だと弱いしね」
「力に限界があるな」
「一人だとね」
ロミオはそれこそという口調でアルフレドに応えた。
「もうね」
「小さいものだな」
「うちの理事長さんでも」
八条義統、連合きっての辣腕政治家と言われている彼でもというのだ。
「一人であそこまで出来ないね」
「やっぱり国防省の人達がいてくれて」
ビアンカはすぐに答えた。
「連合軍の人達もいてくれて」
「やっていけてるね」
「確かに理事長さんは凄い方よ」
中央政府国防長官である彼はというのだ。
「どんなお仕事も絶対にやり遂げてね」
「結果を出してくれるね」
「そんな方だけれど」
「一人だとね」
「限界があるね」
「一人で何でも出来るなんて」
ビアンカは笑って話した。
「ネット小説の無敵主人公よ」
「もう万能タイプの」
「頭がよくて人望もあってね」
「戦うともう一人で敵の大軍倒せて」
「政治力もあってね」
「そんなのじゃないとね」
「限界があるわよ」
そうした存在でない限りはというのだ。
「マラドーナさんだけでアルゼンチンは優勝出来たか」
「ワールドカップでね」
この時代マラドーナはサッカーの神の一柱とまでされている、それだけ偉大な選手だったということだ。
「それはね」
「無理だったわね」
「確かにとんでもない選手だったけれど」
彼の国アルゼンチンが優勝した一九八六年のワールドカップは彼の大会であったと言われるまでの選手だった。
「他にもね」
「いい選手が揃っていてね」
「アルゼンチンは優勝出来たね」
「そう、一人だとね」
「どうしても限界があるね」
「そもそも一人で国の政治出来て敵軍をやっつけられるとか」
そうした無敵主人公はというのだ。
「見ていてでしょ」
「かえって白けるね」
「もうリアリティゼロで」
「一人で銀河系破壊出来るとか」
「そんな能力でやりたい放題とかね」
「書いている人は面白くても」
何でも自分を投影させている場合もあるという。
「それでもね」
「読者としてはね」
「もうね」
それこそというのだ。
「白けるから」
「よくないね」
「もうこのキャラ一人でいいんじゃないかってなって」
「仲間がいてもね」
「添えもの、引き立て役にしかならないから」
その無敵主人公のだ。
「ヒロインだってね」
「魅力なくなるね」
「欠点があるから」
弱点もこれに入るであろう。
「キャラクターって魅力じゃない」
「一人だと限界があるね」
「ライダーも戦隊も」
特撮の主人公達もというのだ。
「一人だとね」
「限界があるね」
「ライダーだって一人だとね」
どうしてもというのだ。
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