夢幻水滸伝
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第百七十九話 星達の集結その十一
「あの国からだけはな」
「いませんね」
「誰もな」
「日本と国交がないですし」
「八条グループも進出してへんしな」
「それで、ですね」
「一人もや」
まさにというのだ。
「おらん」
「そうですね」
「それで巨人のユニフォームはか」
「あそこの軍隊の軍服みたいな」
「そうした感じがするな、確かに」
「というかチーム自体が」
巨人そのものがというのだ。
「北朝鮮そっくりですね」
「ああ、オーナーの独裁でな」
「あのオーナーが将軍様で」
「そんな感じやな」
「よおそんなチームがずっと人気ありましたね」
「マスコミのせいでな」
巨人の親会社がマスコミでだ。
「それでな」
「そのせいで、ですね」
「めっちゃ宣伝されてたからな」
「新聞にラジオにテレビに」
「ほんまに北朝鮮のプロパガンダみたいにな」
「それで人気があったんですね」
「特にテレビが大きかったな」
これの存在がというのだ。
「シーズンになったら毎日みたいに巨人戦や」
「そやからですね」
「もう皆毎日巨人の試合放送されてたんや」
「つまりプロパガンダ垂れ流しですね」
「そやったからな」
その為にというのだ。
「皆騙されてな」
「巨人を応援してたんですか」
「何しろ昔この子供は巨人、大鵬、卵焼きやった」
「卵焼き美味しいですね」
李はこれはいいとした。
「それは」
「そやな、卵焼きは美味しいな」
「ご飯にもお酒にも合うので」
「そやからな、ちなみに大鵬さんは力士や」
「日本のですね」
「そや、それでその卵焼きや大鵬さんと一緒にな」
まさにというのだ。
「巨人もあったんや」
「それだけ皆洗脳されてたんですか」
「そやったんや、昔はな」
「酷い時代やったんですね」
「それでや」
まさにというのだ。
「ずっと巨人は人気があったが」
「それでもですね」
「巨人の悪事が次第にわかってきてネットが普及してな」
「ネットやとどのチームの試合も観られますね」
「そうなってな」
「巨人の人気はああなったんですね」
「そういうことや」
まさにというのだ。
「どんどん落ちてな」
「そうですか」
「そして新聞が売れん様になって」
「テレビを観なくなった」
「それでお金もなくなってな」
「ええ選手も獲得出来ん様になって」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「今や万年最下位や」
「それも勝率二割五分位で」
「ああなったんや」
「そうですね」
「これまでの悪行の報いを受けてな」
そしてというのだ。
「ああなった」
「そうですか」
「まああんなチームはな」
それこそとだ、中里は李にさらに話した。
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