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夢幻水滸伝

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第百七十九話 星達の集結その六

「僕の友達がそうで」
「そうなんか」
「僕陸上部で砲丸してますけど」
「その砲丸やってる奴でか」
「そうした奴います、夢野マニアって言うてます」
「そやねんな」
「あの昨夏の世界は独特ですね」
 石川も言ってきた。
「ほんまに」
「ポーみたいやな」
「ですがポーより不気味とです」
 石川は中里に話した。
「死後の恋読んで思いました」
「それはそやな」
「私は部活は英会話部で」
 石川は自分の部活お話もした。
「ポーの原文も読みましたけど」
「そこで受けた印象はか」
「ポーよりも不気味です、江戸川乱歩や横溝正史ともまたちゃう」
「独特の不気味さやな」
「そうかと」
「あーし魯迅読みまして」
 麻里佳も言ってきた。
「部活の演劇部で阿Q正伝やったんですよ」
「また凄い作品上演したな」
「魯迅ってホラーですよね」
「ああ、読んでみたらな」 
 中里もそうだと返した。
「そうした世界やな」
「夢野久作もそんな風ですか」
「妖怪とか幽霊は出んでもな」
「怖いんですね」
「魯迅もな」
「幽霊とか出んでも」
「人の持ってるな」
 まさにそうしたというのだ。
「怖い面を書いた」
「そうした作品世界ってことですね」
「そういうことや」
「そうですか」
「人が一番怖い」
 山本は深刻な顔で述べた、述べつつ井伏と共に広島風のお好み焼きを食べている。
「そうですのう」
「それはあるな」
「考えてみたら幽霊は身体がないだけで」
「魂だけの存在やしな」
「人ですけんのう」
「そやからな」
 その為にというのだ。
「幽霊が怖いんはな」
「人が怖いってことですね」
「そや」
 まさにというのだ。
「そうなるわ」
「そうですのう。わし部活は骨法部ですが」
 山本は部活の話もした。
「そっちでは別に」
「怖いことはないか」
「そうです」
「わい地理部ですが」
 川端も話に入ってきた。
「掘り出したもんがとか」
「ホラーやとあるな」
「そうした話もあるますが」
 それでもというのだ。
「流石にです」
「人より怖いもんはか」
「ないです」
 そうだというのだ。
「考えてみますと」
「そやねんな」
「はい」 
 実際にというのだ。
「そうです」
「まあそやな」
「ラグビー部では怪我も怖いですが」
 有島は自分の部活の話もした。
「そやけど」
「人こそがやな」
「ほんまにです」
 実際にというのだ。 
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