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八条学園騒動記

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第五百九十話 凶悪犯だった警官達その一

                凶悪犯だった警官達
 喫茶店のウェイターをしているジミーは店の中にいる客の一人を見てから店の奥に戻った、注文を終えて。
 そして注文を伝えてから自分と同じウェイターをしているジョルジュに話した。
「凄い人が来たよ」
「凄い人?」
「うん金子先生」
「一年B3組の担任で数学の」
「そう、あの先生来てるよ」
「あの先生確かお家ヤクザ屋さんだったね」 
 ジョルジュはジミーにこう言った。
「確か」
「そうらしいね」
「噂だけれどね」
「いつもサングラスで角刈りでね」
「歩き方もね」
 これもというのだ。
「そうした感じで」
「肩をいからせてね」
「服装もね」
「仇名は親分だったね」
「あれ確か」
 ジョルジュは先生のその仇名について述べた。
「漫画のキャラクターに似てるかららしいよ」
「そうなんだ」
「文字通りヤクザの大親分で」
「ああした外見だったんだ」
「うん、ただね」
「ただ?」
「その漫画特別な警察の漫画で」
 それでというのだ。
「白バイに乗って銃で戦って主人公達は全員元凶悪犯だったらしいんだ」
「じゃあその親分も」
「主人公の仲間でね」
「いい役なんだ」
「そうみたいだよ」
 ジョルジュはこう話した。
「全員ね」
「元凶悪犯でもなんだ」
「悪事はしても外道じゃない」
「ああ、そういうことだね」
 ジミーもそれで納得した。
「そうした人いるしね」
「実際にね」
「それでその漫画もだね」
 ジミーはジョルジュに話した。
「元凶悪犯でも」
「七人いるけれどね」
「全員筋は通っているんだ」
「外道じゃないからね」
「それでなんだ」
「うん、元々は日本の漫画で」
 漫画を文化にまでしてその地位を確かなものにした国である、ジョルジュはその国から生まれた作品であることも話した。
「今じゃシリーズ化してね」
「連合各国でだね」
「描かれているよ」
「そうした作品なんだ」
「主人公達は絶対に元凶悪犯で」
 それでというのだ。
「七人いてね」
「警察官なんだね」
「バイクに乗って銃で戦うんだ」
「そうして悪人を倒していくんだ」
「逮捕せずに」
「ああ、その場で射殺するんだ」
「ここまでがシリーズの鉄則で」
 守らなくてはならない設定だといいうのだ。
「全員大抵凄く偉いんだ」
「偉いんだ」
「階級が半端じゃなくね」
「元凶悪犯でも」
「大抵七人のうち六人が警視正でね」
「ああ、偉いね」
 警視正と聞いてだ、ジミーは少し驚いた声で言った。 
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