八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九十五話 詩織さんの決断その十二
「それにね」
「それになのね」
「メニューもね」
これもだ。
「予約出来たから」
「じゃあ」
「遊園地も植物園も行って」
「商店街もよね」
「イルミネーションも行ってね」
そうしてだ。
「最後にね」
「レストランね」
「うん、楽しみにしておいてね」
「色々行く場所考えたのね」
「実はね」
香織さんに微笑んで答えた。
「何かとね」
「じゃあその努力がね」
「実る様にだね」
「神様にお願いするわ。私も仏教だけれど」
お家の宗教はというのだ。
「今は神様にお願いするわ」
「キリスト教のだね」
「クリスマスだからね」
「やっぱりそうなるよね」
「そちらの神様にお願いするわね」
「それじゃあね」
「神様にお願いして」
そしてというのだ。
「楽しいクリスマスにしてもらうわ」
「じゃあ僕もね」
「お願いするのね」
「そうするよ」
香織さんにまた答えた。
「是非ね」
「それじゃあ二人でね」
「お願いしようね」
「そうしましょう」
二人で笑顔で話した、そしてだった。
僕は香織さんと一緒に八条荘まで帰った、そのうえで。
部屋に入るとクリスマスのスケジュールのチェックをした、それが終わってから書斎に入って本を読んだ。
読んだのはクリスマス=キャロルだ、それを読んでいると、
夕食の時間になった、それで食堂に行くとこの日のメニューはハヤシライスだった。皆そのハヤシライスを見て言った。
「久し振りね」
「ハヤシライスってね」
「最近食べてなかったわね」
「カレーは結構食べても」
「ハヤシライスはね」
「これってあれよね」
テレサさんがここでこう言った。
「ビーフシチューをご飯にかけた」
「まあ近いわね」
モンセラさんも頷いた。
「言うなら」
「そうよね」
「人参とかジャガイモは入ってなくても」
「近いわね」
「味とか外観も」
「そうよね」
「まあね」
僕もその話を聞いて言った。
「強いて言うならね」
「近いわよね」
「そうよね」
「明治維新の頃に出来て」
カレーライスと同時期にだ。
「それで定着したけれど」
「ビーフシチューに似てるわね」
「ビーフシチューもその頃日本に入ったし」
「そうよね」
「似てるわね」
「そうだね、牛肉だしね」
中に入っているものはだ。
「それに玉葱も入ってるし」
「それでその牛肉と玉葱がね」
「絶品なのよね」
「その組み合わせがね」
「ビーフシチューに似たソースがね」
「確かにね、ただカレーが強過ぎで」
そのせいでだ。
「いささかマイナーかな」
「確かに」
小夜子さんは僕の指摘に頷いた。
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