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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十五話 詩織さんの決断その十

「一回ね」
「それで一九九九年にまた」
「今度は日本でね」
「歴史は繰り返すね」
「本当にそうだね」
「そう思ったわ、それでだけれど」
 香織さんは僕の顔を見ていてきた。
「義和って宗教のことしっかり考えてるのね」
「そうかな」
「今聞いて思ったわ」
「ノストラダムスとかで」
「結構ね」
「そうなんだね」
「お金や地位にこだわる宗教とか」
 それにだ。
「やたら人類滅亡言ったり他の宗教のつなぎ合わせとか」
「そうした宗教はね」
「危ないのね」
「全部が全部そうじゃないけれどね」
 つなぎ合わせでも終末論でもだ。
「勉強会みたいな小規模の宗教団体もあるし」
「そういうのもあるの」
「あるよ、これがね」
 代表はイエスの箱舟だろうか。
「仏教で言うと小乗仏教みたいな」
「タイで多いっていう」
「ラブポーンさんのお国のね」
 この宗教もだ。
「小乗仏教も個人が悟りを開くことが主な目的で」
「小規模になの」
「なりやすいみたいだよ」
 僕の見立てではだ。
「どうもね」
「そうなのね」
「けれど悟りを開いたとか言って」
 そのうえでだ。
「お金や地位にこだわるなら」
「悟りを開くってそういうのから脱却してるわね」
「欲からね」
「じゃあお金とかね」
「地位もね」
 そのどちらについてもだ。
「他のことだってそうだけれど」
「無欲になっているわね」
「もう欲を捨て去ることがね」
「煩悩よね」
「そう、それを捨て去ることが悟りだから」
 それを開くということだ。
「それがあるとね」
「もうその時点でおかしいわね」
「あれこれ理由をつけても」
 それでもだ。
「もうどうかってなるよ」
「考えてみればそうよね」
「だからおかしな宗教はその教理を見て」
「その行いを見たら」
「それでね」
「わかるのね」
「そうだと思うよ」
 僕としてはだ。
「本物か偽物か」
「そこでわかるのね」
「まあ仏教や神道やキリスト教でもね」
「あるわよね」
「アメリカでも凄いのあったしね」
 人民寺院の事件をここで思い出した。
「集団自決したりね」
「集団って」
「何百人も一気にね」 
 聞くだけで凄いことだ。
「そうしたこともあったし」
「その宗教は偽物だったの?」
「これは本物か偽物かっていうよりかは」
「極端ね」
「そっちに行った例かな」
 言うならだ。 
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