夢幻水滸伝
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第百七十五話 ハンバーガーショップの前でその十一
「それで、です」
「厳しいってか」
「心から警戒しています」
「日本人特にあの方の遵法精神はかなりなので」
ルイスも中里に言う。
「私達から見ればです」
「その法律を絶対ってする考えがか」
「どうしてもです」
「厳しいって思えるんやな」
「合衆国軍の憲兵でもです」
それこそという口調の言葉だった。
「あそこまではとても」
「そういうことやな」
「はい」
まさにというのだ。
「そうした事情です」
「そういうことやな」
「まああれですね」
デリーロも言ってきた。
「逆に言えばそうした人がこちらの世界で風紀委員長で」
「あちらの世界で警察長官になるからやな」
「ええってことですね」
「結果としてそうなりますね」
「そういうことやな」
「そうかと、確かに厳しくて一緒やと色々注意されそうですが」
それが嫌だがというのだ。
「ああした人がいてくれると」
「ええやろ」
「何かと」
「そやな、それで太宰の名前も出たが」
中里は今度は彼のことを話した。
「やっぱり政はな」
「あの人ですね」
ミッチェルが応えた。
「何といっても」
「ああ、自分達にも政は頑張ってもらうけどな」
それでもというのだ。
「柱はな」
「あの人ですね」
「あいつ以外におらん」
政の柱はというのだ。
「ほんまにな」
「政治力は図抜けてますか」
「日本だけやなくてな」
「新たな領土全体の政をですね」
「東アジア、東南アジア、オセアニア、北米、中南米、サハラ以南のアフリカ、北極上空そして地下世界とな」
自分達の領土全てをというのだ。
「その仕組みも含めてや」
「やってくれますか」
「それをもう考えてる」
既にというのだ。
「あいつはそういう奴やさかいな」
「まるで怪物ですね」
ミニーは中里のその話を聞いて驚きを隠せなかった。
「あの人は」
「何でも明治と戦後の日本を手本にしてな」
そのうえでというのだ。
「官僚システムとかをもう考えてある」
「官僚ですか」
「それで統治するそうや」
「そこまでお考えですか」
「そしてな」
それでとだ、中里はさらに話した。
「統治がはじまったら早速な」
「そのシステムを導入してですか」
「全体の統治をはじめるつもりや、議会も開いて最高裁判所も置いて」
中里はオニールにも話した。
「地方議会とか裁判所、地方の州とか省とか道府県は名称はそのままらしいが」
「それでもですか」
「知事は選挙で選んで」
そしてというのだ。
「市町村の長もな」
「選挙ですね」
「それで決めるそうや」
「そうですか」
「あまりにも領土が広くて」
そしてというのだ。
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