夢幻水滸伝
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第百七十五話 ハンバーガーショップの前でその九
「そちらで励んでいます」
「そやねんな」
「はい、それであっちの世界でもです」
「拳法やってるんやな」
「身体動かすのも修行のうちですから」
それでというのだ。
「いつもです」
「あっちの世界でもやな」
「拳法やってます」
「成程な」
「アメリカは所謂人種の坩堝や」
ここでトウェインが言ってきた。
「人種のシチューともサラダとも言うな」
「とにかく色々な人間がおるな」
「移民の国やからな」
それだけにというのだ。
「ほんまにな」
「色々な人間がおるな」
「こっちの世界ではな、それで中国系もおってな」
中里に対して話した。
「拳法もや」
「入ってるな」
「セリューがやってる空手もな」
日本のそれもというのだ。
「入ってるわ」
「日系人もおるからやな」
「そや」
「あっちの世界では最初から色々な人間がおるな」
メルヴィルも言ってきた。
「移民やなくてな」
「そういえばそやな」
「何か世界が統一されてな」
「僕等が入る前にな」
「一旦世界の殆どが石に変えられて海に沈められたそうやが」
それでもというのだ。
「その前に世界が統一されて」
「その頃にはやな」
「もう色々な人が移住したか最初からおったか」
「それでやな」
「もうこっちの世界のアメリカみたいになってた」
「人種のサラダやな」
「自分はそっち言うか」
「言葉の語呂としてええからな」
それでというのだ。
「そう呼んだんや」
「そうなんやな」
「ああ、とにかくあっちの世界ではやな」
「ピルグリム=ファーザーズとかなかった様でな」
それでというのだ。
「結構最初からな」
「そうなってたな」
「移住もあったかどうか」
こちらの世界のアメリカの代名詞であるそれもというのだ。
「果たして」
「わからんな」
「どうもな」
「まあその話は置いておいてね」
ボームが中里達にハンバーガーショップの前から言ってきた。
「ハンバーガーどう?」
「後にするわ」
施が応えた。
「そうするわ」
「そうなの」
「皆集まった時に」
その時にというのだ。
「ハンバーガーも食べるわ」
「他のものもなのね」
「そうするわ」
「それとっす」
セリューは綾乃を見て言ってきた。
「紫先輩は好物何っすか?」
「お酒やろか」
「いや、お酒は置いておいてっす」
「食べものやね」
「それっす、あとお酒以外の飲みものは何がお好きっすか?」
「飲みものは日本のお茶、お抹茶や麦茶や玄米茶で」
綾乃はセリューのその問いにまずは飲みものから答えた、兎に角綾乃は酒以外の飲みものはお茶派なのだ。
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