夢幻水滸伝
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第百七十四話 中国の者達その十三
「次に行こうか」
「ラーメンは後で食べたらええ」
芥川はその中里に述べた。
「そやからな」
「今はやな」
「これでな」
「次の場所に行ったらええな」
「ラーメンは逃げん」
中里にこうも言った。
「足がないからな」
「あったら怖いな」
「売り切れることはあるけどな」
「その心配はないな」
「幾らこの連中でも麺食いきれんわ」
ラーメンをせっせと食べる中国組を見て話した。
「そやからな」
「安心してやな」
「次の場所に行ったらええ」
「そやな」
「僕は塩ラーメンや」
こちらを食べるというのだ。
「そうするわ」
「そっちか」
「ラーメンはな」
「僕は醤油やな」
「自分はそっちやな」
「そう考えてるわ」
こう中里に話した。
「塩も味噌も豚骨も好きやが」
「気分的にやな」
「そっちや」
「よし、ほなな」
「それ食ってな」
その塩ラーメンをというのだ。
「そして他のもな」
「食うな」
「ああ、そうするわ」
こう芥川に言ってだった。
中里は次の場所に目を向けた、そして仲間達と共にそちらに足も向けたのだった。
第百七十四話 完
2020・8・15
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