夢幻水滸伝
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第百七十一話 統一成るその八
「怠けてたら駄目だ」
「やれやれやな」
「ほんま遊んで楽したいのに」
「そうならんってな」
「難儀な話や」
「怠けてたらあまめはぎが来るだ」
宮子は今度はこう言った。
「それでもいいだか」
「ああ、あの東北の妖怪やな」
「怠け者を怒るっていう」
「甘酒が好きな妖怪やったな」
「あの妖怪に怒られるか」
「そだ、そんなことになったら恥だ」
宮子は四人に怒った顔で話した。
「だから四人共戦の後もしっかり働くだ」
「世の中上手くいかんな」
「働いたら負けやってのに」
「お金の分働いたらええやろ」
「それ以上せなあかんか」
「勤労は美徳だ」
宮子は今度はこう言った。
「そげなこと言うと本当にあまめはぎが来るだ」
「そんなんいらんわ」
「ほな働くしかないか」
「忙しくても」
「それでもかいな」
「そだ、じゃあ一緒に働いていくだ」
宮子は四人にこう言って兵達に薬を渡した、そうしてだった。
兵達の傷を癒した、そうして最後の一撃の為の戦をさせるのだった。
中里とアレンカールの闘いは続いていた、だが二人共既にかなり傷付いていてケツアルコアトルはアレンカールに問うた。
「いけるか?」
「あと少し位ならね」
アレンカールはケツアルコアトルのその問いにこう返した、
「いけるわよ」
「あと少しか」
「大丈夫と言いたいけれど」
「そう言うにはやな」
「無理があるわ」
「ほなやな」
「最後の勝負をね」
それをとだ、アレンカールは意を決した顔で言った。
「仕掛けるわ」
「そうするんやな」
「これからね」
「そやったらな」
「一緒に闘ってくれるのね」
「わしは自分の神具や」
ケツアルコアトルは己の背に彼にこう返した。
「だったらや」
「いつも一緒っていうのね」
「そや」
まさにというのだ。
「何があってもな」
「そう、じゃあ一丸になって突撃仕掛けるわよ」
アレンカールは自分達の前にいる中里鵺に乗っている彼を見ながら話した。
「そうするわよ」
「わしは突撃しながらやな」
「術を使ってもらうわ」
「わかったわ」
「あたいも拳で術を繰り出しつつね」
「突撃してやな」
「最後の一撃を繰り出してね」
その一撃でというのだ。
「勝負を決めるわ」
「そうするな」
「中里ちゃんに勝った後も大変だけれど」
「軍勢の采配をしたいしな」
「その前に絶対にまた神星の誰かが来るから」
このことは間違いないからというのだ。
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