| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百七十一話 統一成るその七

 瑠璃子は戦いつつ仲間達に言った。
「この戦終わったら暇になるかな」
「ならんで」
「それは絶対にないで」
「むしろそれから忙しくなるで」
 瑠璃子に由香と紗枝、雅美が言ってきた。共に戦いつつ。
「太宰さん思いきり政に励むつもりやから」
「それでやで」
「私等戦の後も忙しいで」
「やれやれやな、やっぱりな」
 瑠璃子は仲間達の返事に実施ァにやれやれという顔になって述べた。
「人は暇なんが一番やで」
「ほんまやな」
 由香もそこは同意だった。
「そこは」
「お菓子食べてジュースとかコーラとか飲んで」
「ボードゲームとかトランプやってな」
「それでだらだら過ごしたいな」
「お金入るんやったらな」
 由香はこうも言った。
「働いたら負けや」
「ほんまその通りや」
「何でお金入るのに働くんや」
「そんなん意味ないで」
 他の三人もそれはと言う。
「ほんまにな」
「それで何で働かなあかんか」
「わからんわ」
「というかやで」
 今度は紗枝が言う。
「太宰さんとか喜久子さん私等にいつも働こうって言うけどな」
「そんなんせんでもええやん」
「そや、ほんまお金入るんやったら働いたら負けや」
「仕事はお金稼ぐ為にあるんやで」
「それで何で働かなあかんか」
 それがというのだ。
「わからんわ」
「ほんまやな」
「太宰さんも喜久子さんも何時もお仕事してるけど」
「あれがわからんわ」
「冗談抜きにお金入るやったら」
 それならとだ、雅美も力説した。
「働いたら負けや」
「そや、あんまり働かせるとストライキや」
「デモもやるんや」
「労働時間はしっかりとや」
 三人も言う。
「ほんまにな」
「そこはちゃんとしてもらわんとな」
「私等にしても」
「出来る筈ないでしょ」
 あくまで怠けることを考えている四人に宮子が突っ込みを入れた。
「そんなことは」
「あっ、この世界労働基準法とかないんやった」
「太宰さん一応そうした法も出してるけど」
「それでもやったら」
「そうした法ないわ」
「そうした法はこれから作っていくにしても」
 それでもとだ、宮子は四人に話した。
「私達は星の人、管理職の中の管理職だべさ」
「トップは休めん」
「それこそ朝も夜もなし」
「ずっと働く」
「そうせなあかんのかいな」
「そこまでしないと国は動かんだべ」
 宮子は東北特有の濁音が多い言葉で話した。
「そんなこと言うまでもないと思っていただども」
「うち等は働くの嫌いや」
「遊ぶのとぐうたらするのが好きや」
「お仕事はお金の為にするもんやで」
「お金あったら働く必要ないわ」
「そんな考えだと国は動かんだ」
 宮子は自分達の考えをありのまま言う四人にまた言葉を返した。
「だからおめ達もだ」
「働かんなあかんか」
「それこそ会社の社長さんみたいに」
「もう休日なしかいな」
「そんな生活かいな」
「そこまでいかんでも忙しいだ」
 このことは事実だというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧