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八条学園騒動記

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第五百八十九話 シェークスピア劇の本来の姿その六

「あの処刑方法はいいな」
「死刑囚物凄く苦しいらしいね」
「だからな」
 それ故にというのだ。
「かなりいいな」
「死刑囚は凶悪犯だからね」
「寝られないとな」
 それだけでなのだ。
「人間苦しくなるからな」
「一日でも辛いっていうね」
「それが二日三日になるとな」
「余計にだね」
「それが一週間になるとな」
「もうおかしくなるね」
「実際に死刑囚にそうするとな」
 寝かせないでそのまま衰弱死させる処刑方法を行うと、というのだ。連合では凶悪犯に人権は存在しない。
「発狂してるな」
「一週間位でね」
「それで最後は狂ったままな」
「死ぬね」
「それだけ辛いんだよ」
 寝ないということはというのだ。
「本当にな」
「だから寝るべきだね」
「寝るべき時はな」
「そういうことだね」
「本当に覚醒剤なんか打ってな」
「一週間寝ないと」
「どれだけ身体に悪いかだよ」
 それこそというのだ。
「それをさせる位だからな」
「覚醒剤は本当に怖いね」
「あんなのしたら馬鹿だ」
 タムタムは忌まわし気に言い切った。
「絶対に駄目だ」
「そうだね」
「そんなもの何でするかわからない」
「つくづくそうだね」
「そんなの使っていたら早死にするのも当然だ」
「身体も心も凄い勢いでボロボロになるから」
「そうなる、覚醒剤二十年打っているとな」
 タムタムは例えとしてこう言った。
「もう寿命は僅かだな」
「二十年の間に身体も心もボロボロになって」
「そしてな」
「すぐにでも死ぬね」
「数年で死ぬ人もいるらしいしな」 
 覚醒剤中毒になってだ。
「二十年だとな」
「もう早いうちに死ぬね」
「そうなるだろ」
 ほぼ間違いなくというのだ。
「だから死にそうな作家さんが打っていたんだ」
「死にそうな身体を動かす為に」
「残り少ない寿命でもな」
「それかなり怖い話だね」
「確か日本の作家さんだったな」
「誰?その人」
「ちょっと待て」
 タムタムはここで自分の携帯を出した、そこで日本のそうした作家を調べた。そしてその後で彼に話した。
「織田作之助だな」
「あの夫婦善哉の」
「その人はそうして書いていたらしい」
「そうだったんだ」
「二十世紀前半の人で結核でな」
「ああ、結核ね」
 ルシエンは結核と聞いてこう述べた。
「あの病気は昔は不治の病でね」
「なると助からなかったな」
「そうだったね」
「その結核になってな」
「死にそうになってなんだ」
「当時の日本では覚醒剤は合法だった」
 またこの話をした。
「ヒロポンといってな」
「煙草屋さんでも売っていてだったね」
「それで普通に打って書いてな」
「亡くなったんだ」
「そうだったらしい」
「鬼気迫るね」
「俺もそう思う、だから作家さんの名前は忘れていたが」
 それでもというのだ。 
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