八条学園騒動記
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第五百八十九話 シェークスピア劇の本来の姿その四
「無理に力を引き出してでもな」
「やりたいことがあったんだ」
「それをやる為にな」
まさにというのだ。
「覚醒剤を打ってな」
「それをしていたんだ」
「その人は作家だった」
織田作之助という作家だ、大阪に生まれ育ってそして大阪を書いていった作家だ。
「書く為にな」
「覚醒剤を打っていたんだ」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「必死に書いてな」
「亡くなったんだね」
「そうなった」
「悲しい人だね」
「だが情熱は感じるな」
「うん」
そうだとだ、ルシエンも答えた。
「それはね」
「覚醒剤を打ち続けて注射タコが出来てな」
そうしてというのだ。
「最後は打ちにくくなっていたらしい」
「それは凄いね」
「だがそこまでしてな」
「書いていたんだね」
「そして書き続けて世を去った」
「悲しいし残酷なお話だね」
「そうだな、覚醒剤はこの様にな」
まさにというのだ。
「危険なものだ」
「死にそうな人が打って無理して書く位の」
「そうしたものだ、だからな」
「手を出したら駄目だね」
「本当に手を出したらな」
その時はというのだ。
「破滅するぞ」
「死にそうな人でも無理が出来る位の力を引き出す」
「そんなものだからな」
「本当に危ないものだね」
「そういうことだ」
「だから絶対にやったら駄目だね」
「早死にするぞ」
覚醒剤に手を出せばというのだ。
「まず間違いなくな」
「一週間寝ないとかね」
「わかるな」
「物凄い体力消耗してるしね」
「骨もボロボロになるんだ」
それで歯もなくなっていく。
「幻覚見て精神錯乱して筋肉もおかしくなってな」
「そりゃ早死にするね」
「そうならない筈がないからな」
「だからだね」
「手を出すな」
覚醒剤はというのだ。
「絶対にな、だから疲れたらな」
「栄養ドリンク飲むか」
「寝ろ」
「そうすればいいね」
「それで一番いいのはな」
「寝ることだね」
「これが一番だ」
何といってもというのだ。
「本当にな」
「そういうことだね」
「というか覚醒剤なんて何でするんだ」
タムタムは本気で言った、考える顔になっていて腕も組んでいる。本当に全くわからないという顔である。
「わからない」
「怖い話しかないよね」
「そうだな」
「手を出したらね」
その時はとだ、ルシエンも述べた。
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