八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九十四話 決断その十
「そうされていました」
「それでお酒を抜かれて」
「すっきりとされて」
「翌日のお仕事に向かわれたんですね」
「そうでした、私はサウナに入って」
そしてというのだ。
「お酒を抜いていました」
「小野さんはそうでしたか」
「左様でした」
まさにという返事だった。
「それで、です」
「お酒を抜いて」
「そうしてでした」
「次の日のお仕事にですか」
「向かっていました」
「大変だったんですね」
「翌朝の調理はクリスマスお休みの人が入るので」
「心配無用でしたか」
「はい、ですが」
「クリスマスに入っていた人達はですね」
「翌朝大変でした」
そうだったというのだ。
「まことに」
「そうでしたか」
「いい思い出です」
小野さんはビールを飲みながら笑って話してくれた。
「まことに」
「色々あってもですね」
「楽しかったので」
それでというのだ。
「まことに」
「その色々がですね」
「楽しいですね」
「思い出にもなりますね」
「実際にそうなっています」
思い出にというのだ。
「まことに」
「そうですか」
「はい、ただ」
「ただ?」
「その時ビールはです」
「クリスマスはワインですね」
「若しくはシャンパンです」
このお酒もあるというのだ。
「こちらもです」
「いいですね」
「左様ですね」
「シャンパンは僕はあまり飲まないですが」
嫌いじゃない、けれどどうも飲む機会が少ないのだ。それよりもワインを飲む機会の方が遥かに多い。
「確かにクリスマスには」
「宜しいですね」
「あれも趣がありますね」
「ですから」
それでというのだ。
「あちらもお勧めです」
「そういうことですね」
「シャンパンはそのままでも結構飲めますし」
おつまみがなくてもだ、ワインは赤も白もロゼもおつまみが必要だ。それも僕が飲む時は結構な量がだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「そうした意味でもお勧めです」
「そうですか」
「ですからよければ」
「クリスマスにはですね」
「シャンパンも飲まれて下さい」
このお酒もというのだ。
「そうされて下さい」
「それじゃあ」
「そして今は」
「こうしてですね」
「ビールを飲みましょう」
このお酒をというのだ。
「そうしましょう」
「それじゃあ」
僕達はこう話して今はビールを飲んだ、そうしながらも今もだった。
香織さんと詩織さんのことを考えた、正直二人のどちらにも好意がある、そしてどちらかをと選ばねばならないこともわかっていた。
それでだ、僕は飲み終わっても考えていたけれど。
書斎で考え続けても答えが出ないでその日は夜遅くなって寝た、そして。
起きて学校に行くとだった、一限目が終わってから。
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