八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百九十三話 一人だけじゃなかったその十二
「凄いものだからね」
「贅沢ではあるのね」
「贅沢ではあってもね」
このことは事実でもだ。
「貪るっていうか無駄な」
「そうした贅沢はしないのね」
「昔からね」
財閥となった頃からどころか平安の八条家が公卿にさせて頂いた頃からだ。八条家はそうした贅沢はしなかった。
「よく漫画である様なね」
「そうした贅沢はしないのね」
「うん、あとね」
「あと?」
「北の将軍様みたいな」
今度はあの国のことが思い浮かんで香織さんに話した。
「ああした贅沢もしないよ」
「確かあの将軍様って」
香織さんも言ってきた。
「国家予算の四分の一位お金使って」
「贅沢してるよ」
「物凄いわね」
「もう無茶苦茶だよ」
今漫画みたいと言ったけれどこの国は現実だ。
「国家予算の二割って話もあるけれど」
「大して変わらないわね」
「うん、二十パーセントだと五分の一だから」
即ち二割だ。
「どっちにしてもとんでもない額の国家予算を使ってね」
「一人だけ贅沢しているわね」
「日本の宮内庁の予算より多いから」
おおよそ計算して出した数字だ。
「もうね」
「問題外ね」
「あんな贅沢はね」
もう言うまでもなくだ。
「していないから」
「八条家も」
「世界屈指の企業グループを経営していても」
それでもだ。
「そんなことはしていないよ」
「そうよね」
「あれはもう汚れた贅沢だよ」
「奇麗な贅沢じゃないの」
「というか品性かな」
言うならだ。
「贅沢にも品性があって」
「あの国の将軍様は下品な贅沢ね」
「香織さんもそう思うよね」
「それはね」
香織さんも答えてくれた。
「言うなら」
「そうだよね」
「どう見てもあの国の将軍様の贅沢はね」
「聞いてるとね」
「品がないわ」
大体世界第三位の経済規模の国の皇室の予算より世界の最貧国の独裁者の贅沢費の方が多いこと自体がおかしい。
「私でもわかるわ」
「個人崇拝だしね」
「ええ。というか日本の皇室って質素よね」
「凄くね」
驚く位質素だ、皇居を見てもそうだし東宮宮はもう宮じゃないレベルだ。
「明治帝も昭和帝も」
「今上陛下もよね」
「その皇室のお暮しを見てね」
「八条家も節度を守ってるのね」
「そうなんだ」
実際に総帥さんは八条家の人達に言っている、勿論僕にもだ。
「日本の皇室の様にね」
「節度を保ってっていうのね」
「流石にああした風に質素にとは言われないけれど」
「節度を守ることはなのね」
「言われてるんだ」
「そうなのね」
「皇室を見ていたら」
そのご生活をだ。
「お手本にってね」
「なるのね」
「だって国家元首であられるのに」
そのお家の方々なのにだ。
「あんなに質素なんだよ、明治帝はいつも軍服で」
「服に贅沢されなかったの」
「薩摩芋を残されて後で食べるとか言われたし」
食べものも粗末にされなかったのだ、食べかけは捨てて新しいものを召し上がられる様なことはされなかったのだ。
ページ上へ戻る