新オズのオジョ
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第九幕その三
「張飛といつも飲んでいる」
「仲いいんですか」
「いや、かつては非常に仲が悪かったのだよ」
「そうだったんですか」
「呂布殿はかつては裏切ってばかりで」
それでというのです。
「義侠心に満ちた張飛とは反りが全く合わず」
「それで、ですか」
「大層仲が悪かったのだよ」
「そうだったんですね」
「それがだ」
「今は、ですか」
「仲直りして」
そしてというのです。
「よく一緒に飲んだり鍛錬をしている」
「そうですか」
「というか関羽さんより強い人って二人もいるんだ」
ボタンはこのことに驚いています。
「凄いね」
「武芸なら斉天大聖殿より上かも知れぬ」
こう言うのでした。
「呂布殿は」
「そこまでなんだ」
「おそらく最強は項羽殿であろうが」
「項羽さんよりは強くないんだ」
「項羽殿の強さは違う」
関羽さんは唸って言いました。
「最早次元が」
「そうね、項羽さんは天帝さんのところでは最強ね」
オズマもこう言います。
「あの人は」
「左様ですな」
「二郎真君や哪吒太子よりも強くて」
「さしもの斉天大聖殿も」
「あの人には負けるわ」
項羽さんにはというのです。
「もうね」
「桁が違いますな」
「幾ら何でもね」
「項羽殿の強さは」
「まさに力は山を抜き気は世を覆う」
「そこまでですな」
「本当にね」
こう言ってそしてでした。
オズマは川辺でのんびりとしている鰐達を見てさらに言いました。
「項羽さんなら鰐はおろか恐竜でもドラゴンでもね」
「勝てますな」
「間違いなくね」
「何しろ斉天大聖殿よりもです」
それこそというのです。
「お強いのですから」
「それならね」
「鰐も問題でないかと」
「中国の歴史は長いですが」
神宝はその中国人として言います。
「項羽さんは最強だったかも知れないですね」
「そこまで強いんだね」
「はい、もう滅茶苦茶強かったんですよ」
「それがしなぞとても」
関羽さんですらこう言います。
「足元にも」
「そう言えますよね」
「あの強さには」
「上には上がいるっていうけれど」
オジョも言います。
「項羽さんは別格ということなんだ」
「全く以て」
こう言うのでした、そしてです。
皆は鰐やイルカ達を見つつさらに進んでいきます、そうして夜になるとです。
皆でご飯を食べることにしました、今回のメニューは中華料理の飲茶で色々なお料理を少しずつ出してです。
お茶にお酒も出しました、お酒は関羽さんにとなりますが。
そのお酒を見て関羽さんは目を細めさせて言いました。
「おお、桂花陳酒とは」
「お好きですか、桂花陳酒」
「大好きだよ」
オジョに笑顔で答えます。
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